11日の第12回夏の全島闘牛大会(県闘牛組合連合会主催、琉球新報社共催)は、二大タイトルマッチを含めた真夏の熱戦を一目見ようと多くの闘牛ファンが詰めかけ、連日の猛暑に負けないくらい会場は熱気であふれた。注目の中量級優勝旗争奪戦は、心美花形が黒獣王との持久戦を制し新チャンピオンが誕生した。軽量級優勝旗争奪戦は、しんちゃんが長堂畜産葵冠の挑戦を退け初防衛に成功した。
黒獣王と心美花形の対戦は、序盤から互いの出方を見ながらけん制するようにツキ・ワリの応酬となった。両牛の動きに熱を帯び始めた4分過ぎに心美花形の強烈な腹取り速攻がさく裂。黒獣王は、その場で体を寝転がされる一撃必殺の大技いわゆる打ち倒しを喰(く)らい万事休すかと思われた。だが、ここは無敗の王者の意地を見せ体勢を立て直すと再度、心美花形に向かっていった。そこからは黒獣王も隙を見せることはなく互いの持ち味である打撃戦を交えた長期戦に突入した。対戦タイムが25分を過ぎ心美花形が先にスタミナ切れの兆候である舌出しをするが一歩も引くことはなく、逆に前進する気迫に黒獣王が押され29分22秒で自ら敗走。勝負が決まり、新王者が誕生した瞬間、会場は割れんばかりの拍手と歓声に包まれた。
しんちゃんと長堂畜産葵冠の対戦は、1分13秒の短い中にも互いの持ち味を存分に発揮した見ごたえのある試合となった。しんちゃんの試合巧者っぷりが光った初防衛戦となった。
【中量級優勝旗争奪戦】心美花形【軽量級優勝旗争奪戦】しんちゃん【ゆかり賞】天下一【敢闘賞】伊波重機☆白嵐【殊勲賞】キラキラ☆にゃん太♡
(平川智之通信員)