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池間民族の伝統行事「ミャークヅツ」 各集落で豊漁、子孫繁栄を願う 宮古島市 沖縄


池間民族の伝統行事「ミャークヅツ」 各集落で豊漁、子孫繁栄を願う 宮古島市 沖縄 佐良浜の前里添のクイチャーを奉納する男性ら=9月27日、宮古島市伊良部
この記事を書いた人 Avatar photo 友寄 開

【宮古島】宮古島市の池間島と、同島から市伊良部佐良浜と市平良西原に移り住んだ人らで構成される「池間民族」の伝統行事「ミャークヅツ」が9月27日から、各集落で開かれた。住民らは御嶽で拝み、各集落に伝わるクイチャーを奉納するなどし、向こう一年の豊作・豊漁や子孫、集落の繁栄を祈願した。

 ミャークヅツは、男性が中心となって旧暦8月の最初の甲午(きのえやま)の日に行われる。池間島と西原では9月27~29日の3日間、佐良浜(池間添、前里添)では同27~30日の4日間にわたって実施された。

 初日の27日、市佐良浜では池間添と前里添の両地域の住民がそれぞれクイチャーを踊った。池間添は数え年47歳(1978年生まれ)を、前里添では数え年50歳(75年生まれ)を「ミーウヤ」(新入生)と呼び、ミャークヅツに参加できるようになる。両地域ではミーウヤの男性らが中心となり、力強いクイチャーを踊った。

 前里添のミーウヤ会の会長として準備やクイチャーの中心を担った漢那竜也さん(48)は「同窓と一緒に伝統をつなげることができてうれしかった。クイチャーもしっかりと踊ることができたので、豊漁・豊作が期待できる」と語った。

 池間島でも27日、法被を着た住民らが大きな円を作りながらクイチャーを踊り、盛り上がりを見せた。

 翌28日、西原では黒のスーツ姿にねじり鉢巻きの男性らが集落内を練り歩き、数カ所で掲げた旗頭を中心とした円を作り、クイチャーを披露。歌に合わせて力強く大地を踏むなどして勇壮に踊り、クイチャーを奉納した。
  (友寄開)

大きな円を作りながらクイチャーを踊る男性ら=9月27日、宮古島市の池間島
スーツ姿で旗頭を囲むように円を作り、クイチャーを踊る男性ら=9月28日、宮古島市平良西里