宮古島の北側に位置する狩俣地域では、狩俣集落センターを中心に伝統行事を守り続けている。狩俣の住民が多く参加する三大行事は海神祭と敬老会、十五夜に大綱引きを行う豊年祭がある。本番に向けた話し合いや準備などで集落センターが使われるほか、地域の各種団体の打ち合わせや交流会にも使用されている。
6月9日に開かれた海神祭では、狩俣漁港横の浜から住民らがサバニに乗り、競漕(きょうそう)する。その打ち上げや準備のための場所が集落センターだ。
國仲義隆自治会長は「センターの利用率は他の地域に比べても高い。たまにダブルブッキングをして、住民に怒られることもある」と笑う。地域の青年会や老人クラブ、子ども会、体育協会の会合などの場にもなる。
夏場の暑い日にはセンターの冷房の効いた部屋を開放し、高齢者同士の交流や、子どもたちの勉強を促している。國仲自治会長は「ここに集まると、安否確認もできるし、住民同士の仲を深めることができる」とセンターが地域の絆を強くしていると説明した。
國仲義隆自治会長から一言 子どもたちがこの地域に希望を持ってもらえるように、狩俣らしさや伝統文化を残しながら、地域の活性化に努めたい。
狩俣地域のメモ 2024年9月末現在、316世帯530人が住む。22年には自治会創立120周年を迎えた。
(友寄開)