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高校野球、糸満、タイブレーク制す 宜野座、コザなどコールドで勝利 県秋季大会が開幕


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 高校野球の第73回県秋季大会第1日は9日、沖縄セルラースタジアム那覇、アグレスタジアム北谷、宜野湾市立野球場の3会場で計6試合が行われた。糸満は那覇商業を延長十一回タイブレークの末7―6で制した。宜野座は19―0で南部農林・真和志、那覇工業・首里東は11―1で宮古工業をそれぞれ五回コールドで下した。コザは北谷を9―1の七回コールド、南部商業・豊見城南・那覇西が11―4の八回コールドでそれぞれ勝利した。那覇は9―5で八重山農林に勝った。


「自分で決める」眞喜志殊勲打

那覇商業―糸満 延長11回にサヨナラ打を放ち喜ぶ糸満の眞喜志墾=9日、那覇市の沖縄セルラースタジアム那覇(屋嘉部長将撮影)
那覇商業―糸満 延長11回にサヨナラ打を放ち喜ぶ糸満の眞喜志墾=9日、那覇市の沖縄セルラースタジアム那覇(屋嘉部長将撮影)

 今大会初めてのタイブレークとなった那覇商業―糸満の一戦は、糸満の先制のホームを踏んだ眞喜志墾が延長十一回に殊勲打を放ち勝負をつけた。一塁を踏み、両手を挙げて喜ぶ眞喜志は、一塁コーチャーの大田智治とタッチし、ホームで笑顔の仲間たちの歓喜の輪に飛び込んだ。

 三回、眞喜志は足で魅せた。レフトへの安打を50メートル6・4秒の俊足を生かして二塁打にすると、続く宮城裕斗の安打で一気にホームへ生還した。

 その後に追加点を挙げ、優位に進めた糸満だが、那覇商業に六回に追いつかれ、延長に持ち込まれた。十一回、相手に先に3点を取られ、追い込まれる。それでも先頭打者の根間遥都が四球を選び、続く島袋善希が三塁打を放ち、同点に追いついた。

 サヨナラの場面で打席に立ったのは眞喜志だ。「みんながつないでくれたチャンスを自分が決める」と狙い球のスライダーが初球に来たため、反応して振り抜くと、三遊間を抜けて、サヨナラ打となった。

 1年生の秋季大会ではレギュラーだったが、12月ごろに腰をけがして春季、夏季大会とベンチ入りを逃し、悔しい思いをした。久々のベンチ入りで初戦勝利に貢献したことを喜びながらも、「また新しい気持ちで次の試合に挑みたい」と気を引き締めた。

 (屋嘉部長将)


比嘉恵3回無失点好投

那覇商業―糸満 延長11回にサヨナラ打を放ち喜ぶ糸満の眞喜志墾=9日、那覇市の沖縄セルラースタジアム那覇(屋嘉部長将撮影)

 宜野座先発の比嘉恵佑が安定感のある投球で三回まで被安打2、無失点と好投した。直球とカーブの緩急差を生かして相手打者のタイミングをずらし、引っかけさせていった。

 初回はフォークも混ぜたが、制球があまり定まらなかったため、それ以降は直球とカーブ主体の配球を組み立てた。低めに集めることを意識し「テンポ良く投げられた」。

 二回は高く浮いた直球を捉えられ、あわや三塁打の当たりが味方守備の好プレーで三塁タッチアウトとなり、危機を逃れた。これで「スイッチが入った」と気を引き締めると、後続の打者を直球で押していき、2者連続三振に切って取った。

 宜野座は、打っては一回から三回まで毎回1点ずつ積み重ねると、四回は打線が爆発して一挙16得点。計19点を奪い、五回コールドで初戦勝利を飾った。

 持ち味のフォークの精度を上げることを次の課題とする。「流れを持ってくる投球をしていきたい」と次戦の活躍を誓った。

 (砂川博範)