バレーボールの第76回全日本高校選手権県予選最終日は3日、豊見城市民体育館で男女決勝が行われた。男子は西原が首里に3―0で快勝し、2年連続27回目の頂点に立った。女子も西原が3―1で首里を退け、3年ぶり10回目の優勝を決めた。優勝チームは来年1月に東京体育館で行われる春の高校バレーに県代表として出場する。
第3セットの24―22のタイムアウトで西原の平良晟也主将がセッターの古堅裕武に話しかけた。「最後はエースに決めさせろ」。古堅のトスを受けたエースの田崎憲斗が「絶対に全国に行く」とレフトから強烈なスパイクをたたき、試合を決めた。勝利すると控えのメンバーも駆けよって喜びを爆発させた。
古堅は第1セットにエースへ頻繁に球を送ったが「同じリズムではいけない」と、第2セットは時間差攻撃やバックアタックを多用した。第3セットは「みんな乗ってきたので自由にやらせた」とツーアタックなど多彩なコンビネーションを展開した。
田崎は「試合前の練習でコンビネーションが合わずに不安な時もあった」と話したが、決勝はエースやミドル陣も全体が躍動した。1回戦の前日まで筋力トレーニングなど激しい運動をこなし、決勝に照準を合わせてベストな状態に仕上げてきた。
ブロックを抜かれた時のレシーバーの立ち位置や、コンビネーションの精度を全国まで高めていくつもりだ。目標の全国8強入りへ、平良主将は「スパイカーが打ちやすい形に持っていける自分たちのバレーで勝負する」と集大成へ準備を進める。
(古川峻)
エース小波津 修正重ね得点
女子西原は第4セットの21―24の場面から流れを引き寄せて優勝を決めた。2年連続で首里に敗れていただけに、大嶺若日子主将は「自分たちの代で勝つことができた」と涙を流した。玉城卓馬監督が「苦しい試合だった」と語るように、勝敗がどちらに転ぶか分からない白熱した試合になった。
どのセットも競り合ったが、リベロの山入端楓やレシーバー陣が粘り強くボールを拾い、流れを引き寄せた。第1セットは17―14から7連続で得点を許すなどして落としたが、第2セットからはアタッカーの小波津友愛らがブロックの合間を狙うように修正して得点を重ねた。
レシーバーの浜川未空は「3年生は最後の県大会になる。どうにか自分が入って流れを持ってきたい」と何度もボールを拾うことに成功した。エースの小波津は「みんなが自分につないでくれた」と何度もスパイクを放った。
サーブミスなど今回出た課題に、全国までに向き合っていく。大嶺主将は「練習から気持ちを一つにして、全国は一つでも上に勝ち進みたい」と意欲を見せた。
(古川峻)