12日に初日を迎える大相撲九州場所で、県出身として戦後5人目の新入幕を果たした美(ちゅら)ノ海(30)=本名木崎信志=(具志川中―鳥取城北高―日大出、木瀬)が土俵入りする。美ノ海との関わりは少なかったものの、2006年に県出身で4人目の幕内力士となった琉鵬こと浦崎桂助さん(46)=伊江村=は「うまい相撲をする。はまれば幕内で大暴れするだろう」と太鼓判を押す。
県勢の最高位は琉王の前頭筆頭で、現在の県出身力士は10人。美ノ海は「(県出身の力士を)もっともっと増やして、相撲王国と言われたい」「背が小さくてもできるんだぞというところを見せたい」と九州場所へ意気込む。
一方、浦崎さんは1993年春場所で初土俵を踏み、2006年の名古屋場所を8勝7敗で勝ち越し、新入幕を決めた。だが秋場所では負け越して十両に降格した。自身の経験から「相手が格段に強くなる。技術は問題なくても精神面で負けないことが鍵になる」と語る。
08年から相撲教習所の指導員も務め、12年に引退。出家して現在は伊江島の照太寺で住職を務める傍ら、相撲が盛んな島で子どもたちの稽古に当たる。現役の宮城陽力士などを幼少期から育ててきた。
美ノ海の取組について「そもそも強いが、前みつを狙うタイプは今の幕内に少ない。技能派として今の幕内力士にかみ合うのではないか」とみる。十両時代と土俵入りの所作などは変わらないとし「今までやってきたことを思い切り出してほしい」とエールを送った。
(古川峻)