サッカーの明治安田J3第35節第1日の11日、FC琉球は沖縄市のタピック県総ひやごんスタジアムでリーグ2位の鹿児島ユナイテッドFCと対戦し、2―0で快勝した。通算成績は12勝17敗6分けで勝ち点を42に伸ばした。順位は15位に浮上した。前半から琉球はボールを支配して攻め込む場面が多かった。時折、鹿児島のカウンターを食らうも、強度の高い守備でしのいだ。後半15分に味方のセンタリングをMF岡澤昂星が頭で合わせて先制点。前半19分にはMF平松昇も頭で追加点を奪った。その後は鹿児島の猛攻が続くが、GKダニー・カルバハルの好守備などで逃げ切った。次戦は19日午後1時から、鳥取県のAxisバードスタジアムでガイナーレ鳥取と戦う。
(2)タピスタ(1勝1敗)
琉球 12勝6分け17敗(42)
2―0(0―0,2―0)
鹿児島 17勝7分け11敗(58)
▽得点者 【琉】 岡澤(1)平松(2)
▽観客 2019人
【評】立ち上がりから琉球が球際で強く当たりボールを奪取すると、パスをつないでボールを支配した。流れをつかんだ琉球が先制し、すぐに2点目も奪った。その後は鹿児島が激しいプレスで攻撃を強めたが、琉球も攻守を素早く切り替えて粘り強く守り切った。
前節でリーグ上位の富山に惨敗したFC琉球が2位の鹿児島と向き合った。「初めからレッドカードをもらうくらい強くいかないと戦えない気持ちだった」(金鍾成監督)。立ち上がりから球際で激しく当たってボールを奪うと、守備陣も攻撃に加わって何度も相手ゴールを脅かした。
後半15分、センタリングをMF岡澤昂星が頭で合わせて先制点を奪う。Jリーグ初ゴールに岡澤はサポーターの前に走り「ウォー」とほえた。「全体で戦う空気をつくりたかった」。岡澤の叫びに応えるように、会場の熱気もどんどん高まった。
その4分後にはMF平松昇もヘディングで追加点を奪う。「いい時間でゴールが入ってさらにギアが入った」(金監督)と琉球はその後の相手の猛攻にも集中力を切らさず逃げ切った。
今回の試合までに強度の高い練習を何度も繰り返し、守備の強度の練り直しと攻撃の枚数を再確認した。岡澤は「チームのために走るという犠牲心が生まれた」と修正点を語る。
今季残り3試合へ向けて岡澤は「沖縄に勇気や感動を与えられるようなサッカーをして、僕たち自身も勝利にこだわりたい」と順位を一つでも上げていく。
(古川峻)
上位相手にも戦える
金鍾成監督(琉球)の話 前回の敗戦をどう払拭できるのかという気持ちだった。ボールが入った時に(球際の競り合いで)相手とどう戦うかという点に立ち戻った。厳しい時間帯もあったが、ギアを緩めずに戦い、上位相手にわれわれが戦えることを示せた。
勝ち点奪えず悔しい
大島康明監督(鹿児島)の話 勝ち点3を取らなければならない試合を落としてしまった。失点してからゴールに迫ったが、相手も守備を考えていた。前半から積極的にボールに圧をかけて攻撃的にいけばよかった。得点も奪えず悔しい敗戦になった。