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仲里、地元で初防衛 「ボクシング王国・沖縄」復権へ闘志


仲里、地元で初防衛 「ボクシング王国・沖縄」復権へ闘志 日本ライト級タイトルマッチ 9回、左フックを打ち込む仲里周磨(左)=24日、豊見城市の沖縄空手会館(ジャン松元撮影)
この記事を書いた人 Avatar photo 名波 一樹

 24日に豊見城市の沖縄空手会館で行われたプロボクシング日本ライト級タイトルマッチ(10回戦)で、王者の仲里周磨(オキナワ、中部商高出)が同級3位の村上雄大(角海老宝石)に勝利し初防衛を果たした。4月に王座に就いた仲里は、戦績を19戦14勝(8KO)2敗3分けとした。64キロ契約の平安山太樹(那覇工出、オキナワ)は4回1分36秒で、ライトフライ級の狩俣綾汰(宮古総実高―芦屋大出、三迫)は2回0分58秒でそれぞれTKO勝利を挙げた。

最終回に猛攻、判定勝利

 ライト級王者・仲里周磨は地元沖縄での初防衛戦で白星を挙げた。サウスポーの挑戦者はリーチを生かして右ジャブでけん制。「思った通りのやりにくさ」だったが、仲里は要所で右拳を打ち込んだ。3―0の判定勝ちにも「(KOで)倒したかった」と悔しそうに笑った。

 にらみ合いが続いた1回。長い右腕で攻撃を遮られながらも、隙をみてボディーを放つ。回を重ねながら、踏み込んで腹部をたたいていった。KOを狙っていたが、5回以降は足がつり気味になり「ポイントでの勝利を狙った」。6回終了間際には飛び込んで間合いを詰め、右ストレート、左フックなどをヒットさせた。

 最終回の打ち合いでは「チャンスがあれば倒そう」と猛攻を仕掛ける。観衆が勝負を見守る静寂の中、仲里が挑戦者の顔を捉えると歓声が沸いた。勝利後、会場からは拍手と指笛が2人のボクサーに送られた。

 父・繁会長は「一歩一歩次のステージへ。まずは防衛をつなげられるように」と語る。「沖縄も昔はチャンプがいっぱいいた。僕が盛り上げて、世界までいきたい」。沖縄での初防衛を終えた安堵(あんど)の中、仲里はさらなる飛躍を誓った。

(名波一樹)