楽天から4位指名を受けたワォーターズ璃海(ウェルネス沖縄高)は、普段物静かなタイプだが「いずれは盗塁王になる」と心の内で闘争心を燃やしている。
同校初のプロ野球選手として志を高く持つ。武器は俊足と守備。50メートルを6秒00で走り、守備範囲の広さから難しい打球が多く来る遊撃手を任された。打線では不動のリードオフマンとして2023年の春季県大会、夏の全国選手権沖縄大会での優勝と準優勝に貢献し、チームの快進撃を支えた。
米バージニア州で生まれ2歳の頃、沖縄に移り住んだ。小学2年から野球を始め、小学6年時には九州大会8強入りを果たすなど早くも頭角を現した。プロを意識し始めたのは高校2年の秋から春にかけて。スカウトが九州大会や学校の練習に訪れるようになった。
甲子園出場まであと一歩まで迫りながら、春と夏いずれも届かなかった。「苦しかった。でも練習を続け、乗り越えてきた」と現在の糧としている。
プロはすぐ活躍できるほど甘い世界ではないことは理解している。だからこそ「2、3年は基礎力、体力づくりを徹底する」と地道に努力を積み重ねていくつもりだ。自慢の走力を磨き、守備で球際に強い選手になることを目標とする。「足や守備で沖縄の選手が活躍できることを示したい」。プロの舞台での躍動を誓う。
(砂川博範)
わぉーたーず・りかい 2005年10月14日生まれ、那覇市出身(米バージニア州出生)。178センチ、76キロ、右投げ右打ち。上間小(オール上間)―石田中(沖縄ダイヤモンドBC)―ウェルネス沖縄高。
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昨年10月のプロ野球の新人選手選択会議(ドラフト会議)で県出身3人、県系1人が選出された。仲田侑仁(沖縄尚学高)が広島、ワォーターズ璃海(ウェルネス沖縄高)が楽天からそれぞれ4位指名を受けた。愛知・東邦高の宮國凌空(宜野湾中出)はオリックスから育成3位で指名された。父親が那覇市出身の古謝樹(桐蔭横浜大)は楽天が1位で射止めた。己の可能性を信じ、それぞれがプロの世界へと足を踏み入れる。夢への挑戦が今始まる。