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伊良部(中部農林)が連覇 相撲の琴椿杯 中学の部は仲宗根(浦添)が頂点 沖縄


伊良部(中部農林)が連覇 相撲の琴椿杯 中学の部は仲宗根(浦添)が頂点 沖縄 力強い相撲で高校生の部を制した中部農林の伊良部誠士(右)=27日、うるま市の中部農林高校(大城直也撮影)
この記事を書いた人 Avatar photo 古川 峻

 相撲の琴椿杯第35回県選手権大会・第25回小学生大会が27日、うるま市の中部農林高で行われ、高校生の部で伊良部誠士(中部農林3年)が連覇した。中学生の部は仲宗根広陽(浦添2年)が頂点に立った。一般の部は山城将吾(沖縄ガス)が3連覇した。小学生1~6年の各部は、渕上裕太郎(てだこ)、マンラックス・ケニー(辺野古)、亀石康平(てだこ)、幸地泰邦(同)、呉屋宜和(辺野古)、宮原金太郎(同)がそれぞれを制した。


圧巻勝利、有終飾る

 高校生の部の伊良部誠士(中部農林3年)には負けられない理由があった。唯一の同級生の前田俊之丞は角界に入り、初場所でいない。卒業後は名門・日大に進学予定で、日々の稽古を続けてきた。3年最後の大会で「前田からも刺激を受けている。負けたら後輩に示しがつかない」と力がこもっていた。

 決勝までの3試合は全て数秒で片を付けた。立ち合いで強く当たると、上体が浮き上がった相手の懐を差して押す。初戦から寄り切り、寄り倒し、押し出しで盤石の強さを見せた。「自分の相撲を取ることができた」とうなずいた。

 教員免許を取って、県内で指導者になる夢がある。日大出身の県勢力士には美ノ海や城間がいるほか、現役生に中部農林の先輩も複数、在籍する。172センチ、123キロと小柄だが「県外の人がいる中でどこまでやれるのか、わくわくしている」と意欲は高い。

 これで琴椿杯は2連覇を達成。小学1年から相撲を始め、何度も県内タイトルを取ってきた。「沖縄で生まれて、沖縄で相撲を教わってよかった。学生でアマチュア王者になって恩返ししたい」。沖縄を離れ、県勢力士として一回り大きく成長していく。

 (古川峻)


宮原 一気にすくい投げ

 昨年2月から相撲を始めた宮原金太郎(辺野古)が、小学6年生の部を制した。準決勝で優勝候補の山城真優(伊江西)を押し出すと観客から歓声が沸いた。「初めて優勝できてうれしい」と笑顔を見せた。

小学6年生の部決勝 果敢に攻める辺野古の宮原金太郎(奥)(大城直也撮影)
小学6年生の部決勝 果敢に攻める辺野古の宮原金太郎(奥)(大城直也撮影)

 決勝は速さのある池田成(奥武山)に土俵際で逃げられ、得意の押し相撲をさせてもらえなかった。だが一瞬の隙を突いて相手の左脇を差すと、一気にすくい投げ。「脇が少し空いているのが見えた」と納得した。

 柔道や水泳などのスポーツをしてきたが「相撲が一番楽しい」と魅了された。2月の白鵬杯に出場する。「自分より大きい相手に勝つのが楽しみ」とわんぱく相撲で横綱を目指す。

 (古川峻)


仲宗根 落ち着いた取組でV

 中学生の部の仲宗根広陽(浦添2年)は、得意の押し相撲での勝利にはならなかったが、落ち着いた取組を見せた。中学で2度目の頂点に「1位になれてうれしい」と喜んだ。

中学生の部決勝 積極的に攻める浦添の仲宗根広陽(左)(大城直也撮影)
中学生の部決勝 積極的に攻める浦添の仲宗根広陽(左)(大城直也撮影)

 玉城鳳真(大宮)との決勝。脇が空いてもろ差しにされたが、不利な体勢でも慌てなかった。左上手を取って引きつけると、今度は両上手を取った。「まわしをつかんだら100%勝てる」とそのまま上手投げした。

 小学1年から、てだこクラブで相撲を始めた。現在、浦添で土俵が使えないため、まわしを締めるのは週末の中部農林での稽古のみだ。「高校生の先輩にぶつかっていく」と胸を借りて強くなる。

 (古川峻)