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バスケBリーグ終盤戦へ キングス、連覇へ正念場 きょう再開 地区首位も敗戦は昨季同数


バスケBリーグ終盤戦へ キングス、連覇へ正念場 きょう再開 地区首位も敗戦は昨季同数 キングスの新たな武器となったアレン・ダーラム(左から1人目)、アレックス・カーク(同3人目)、ヴィック・ロー(同4人目)で作るスリービッグ=2月10日、沖縄アリーナ(又吉康秀撮影)
この記事を書いた人 Avatar photo 屋嘉部 長将

 プロバスケットボールBリーグの琉球ゴールデンキングスはレギュラーシーズンの戦いが再開し、2、3の両日、愛知県で三遠ネオフェニックスと対戦する。キングスは39試合を終え、27勝12敗で西地区首位。地区7連覇、リーグ連覇のかかる今季、残り試合をどのように戦うか、これまでの試合を振り返り今後を展望する。

けが人続出

 2022―23シーズンに悲願だったBリーグ初優勝を果たしたキングス。多くのメンバーが残り、千葉ジェッツからヴィック・ローを獲得した今季、戦力がアップしたかに思えた。

 しかし開幕直前、昨季リバウンド王のジャック・クーリーが故障者リスト入り。アルバルク東京での2連覇に貢献したアレックス・カークを急きょ獲得し体制を整えたが、その後もけが人が続出した。現状、全試合に出場できているのは岸本隆一、牧隼利のみとなっている。

戦術浸透できず

 キングスはリーグ戦と同時に行われた東アジアスーパーリーグ(EASL)にも参戦。タフなスケジュールの影響もあり、リーグ戦は疲労が見える試合もあった。EASLで練習時間が削られ、けが人もいて全選手がそろうことはほとんどなく、桶谷大HCの描く戦術を浸透させることがなかなかできなかった。選手間の連係がうまくいかず、1月は4勝5敗と負け越し、苦しい時期を過ごした。

 今季のキングスは昨季に続くインサイドの強さだけでなく、得点力のある選手がそろっていることが強みだが、必ずしも生かされていなかった。チーム内での共通認識が浸透せず、ボールが止まってしまったり、特定の選手に集まり過ぎてしまったりし、逆に相手が守備をしやすくなる状況を生んでいた。

新たな武器

 そんな中でも、1月末にカークが日本国籍を取得し、スリービッグという新たな武器を手に入れた。カークと外国籍選手2人で作る高さが優位な状況をつくり出している。カークがベンチに下がってもクーリーが出てきて、インサイドの強度は落ちない。ローも得意なポジションでのプレーが増え、得点力も伸びてきている。

 その戦い方の完成形に近い試合を見せたのが2月の川崎ブレイブサンダースとの天皇杯準決勝だった。リーグでの1試合平均のアシストは16・4本だが、この試合では26本まで伸びた。リバウンドも川崎に15本差。守備でもチームとして堅守を継続できた。桶谷HCは「守備もプラン通りにできて、攻撃でもボールが回ってシュートも入った。これをやっていれば、どことやっても負けない」と手応えを口にした。

 リーグ1の得点力を誇る三遠、天皇杯決勝で顔を合わせる千葉J、西地区でキングスを猛追する名古屋ダイヤモンドドルフィンズなど、今後は立て続けに強敵との試合を控えている。すでに敗戦が昨季の12に達したキングス。連覇にはチームの成熟度を上げて勝ち星を重ねながら、けが人を出さないことが必要になってくる。

 (屋嘉部長将)