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バスケ天皇杯、16日午後3時から決勝 キングス、初V狙う 千葉ジェッツと対戦、攻撃的チームが激突


バスケ天皇杯、16日午後3時から決勝 キングス、初V狙う 千葉ジェッツと対戦、攻撃的チームが激突 天皇杯決勝でもマッチアップすることが予想される千葉Jの富樫勇樹(右)とキングスの岸本隆一=2023年5月27日、横浜市の横浜アリーナ
この記事を書いた人 Avatar photo 屋嘉部 長将

 バスケットボールの第99回天皇杯全日本選手権大会の決勝が16日午後3時から、埼玉県のさいたまスーパーアリーナで行われ、初優勝を狙う琉球ゴールデンキングスが、2連覇と5度目の制覇を狙う千葉ジェッツと対戦する。今季、両チームのBリーグでの対戦はまだないため、Bリーグの成績やこれまでの戦い方などから、2年連続同じカードとなった天皇杯決勝を展望する。

矛対矛

 直近の対戦は、昨季のBリーグチャンピオンシップ(CS)決勝までさかのぼる。守備のキングス、攻撃の千葉Jとそれぞれリーグ最強の盾と矛の対決だったが、キングスが制し、初優勝をつかんだ。その後メンバーが替わったため、一概に比べられないが、今季は千葉JがBリーグ1試合平均85・7得点(リーグ2位)、キングスが82・2(同6位)と、ともに攻撃的なチームと言える。しかし、キングスはフリースローや2点弾から得点する割合が高く、千葉Jは3点弾での割合が高いなど、点数の取り方は異なる。

 一方、リバウンドは1試合平均でキングスが40・5本、千葉Jが39・8本とほとんど差がない。また、セカンドチャンスポイントもキングスが今季619点、千葉Jが620点と僅差だ。攻守のリバウンドでの差が得点差につながる可能性もありそうだ。

勝負強い千葉J

 千葉Jの強さはここぞという時の勝負強さだ。天皇杯準決勝では、宇都宮ブレックスに第1クオーターで6―24と差をつけられながらも逆転し勝利を収めた。さらに東アジアスーパーリーグ(EASL)では予選から負けなしで優勝している。

 その中で注目はEASLでもMVPを取った日本代表の主将も務める富樫勇樹だ。Bリーグの1試合平均で19・5得点、アシスト5・1本とともに個人ランキングで4位。司令塔として試合をコントロールしながら3点弾、ドライブでも得点を決める。

 リバウンドのキープ力、スピードを生かしたプレー、外からのシュートが光るなどといった個性がある外国籍選手や、昨年の天皇杯で守備と3点弾で見せた原修太、経験豊富なベテランの西村文男、日本代表の金近廉らもおり、油断はできない。

高さと選手層の厚さ

 一方、キングスの強みはインサイドの高さと選手層の厚さと言えるだろう。アレックス・カークが日本国籍を取得したことで使えるようになったスリービッグは、攻守ともにキングスの武器になっている。さらに、カークがベンチに下がっても昨季リバウンド王のジャック・クーリーが出てくるため、インサイドの強度はなかなか落ちにくい。

 さらに最近の試合はベンチから今村佳太が出てくるなど選手層は厚い。小野寺祥太や田代直希、荒川颯ら堅守が持ち味の選手も複数人おり、富樫らに激しく当たることで千葉Jの攻撃のテンポを遅らせ、3点弾の確率を落とすことでより優位な展開に持ち込みたい。

 天皇杯7度目の挑戦となるキングス。第95回大会のベスト16から一歩一歩登ってきた。同大会ではここ2年連敗している千葉Jを3度目の正直で下し、初優勝をつかみ取りにいく。

 (屋嘉部長将)