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バスケ天皇杯決勝 キングス雪辱ならず 千葉Jに69―117 全Qで得点上回られる 守備立て直せず、速い展開に屈す


バスケ天皇杯決勝 キングス雪辱ならず 千葉Jに69―117 全Qで得点上回られる 守備立て直せず、速い展開に屈す 琉球ゴールデンキングス―千葉ジェッツ 第2Q、ゴール下へ攻め込むキングスの岸本隆一(左)。右は千葉の富樫勇樹=16日、さいたまスーパーアリーナ(大城直也撮影)
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 2度目の天皇杯決勝に挑んだ琉球ゴールデンキングスだったが、宿敵・千葉ジェッツの高い壁が再度、立ちはだかった。バスケットボールの第99回天皇杯全日本選手権大会の決勝が16日、埼玉県のさいたまスーパーアリーナで行われ、キングスは千葉ジェッツに69―117と大敗し、2年連続の準優勝となった。千葉Jは2年連続5度目の優勝となった。前半の第1クオーター(Q)は得点の取り合いになった。キングスの初得点は岸本隆一の3点弾だったが、その後は千葉Jに3点弾を多く打たれてしまう。第2Qは千葉Jの守備に対応できず、シュートが決まらない。その間に点差をつけられてしまい32―45で折り返す。後半に入っても千葉Jにタフショットを打たされてはリバウンドを取られて、速い展開の攻撃を許した。さらに千葉Jの3点弾の確率は下がらない。キングスはヴィック・ローやアレン・ダーラムがドライブなどで得点を挙げ、ゴール下ではジャック・クーリーが得点を返すが、一度あいた点差は縮められなかった。

▽男子決勝
千葉J(B1)
 117―69(25―21,23―11,37―17,32―20)
キングス(B1)
千葉Jは2大会連続5度目の優勝


 昨年に続く千葉ジェッツとの顔合わせとなった天皇杯決勝。キングスは全てのクオーターで千葉Jに得点で上回られ、天皇杯決勝で歴史的な失点となる117点を奪われてしまった。試合後、桶谷大HCは「応援してくれる人たちが期待している中でこれだけの大敗はめちゃくちゃ恥ずかしい」と語りながら、何度も悔しそうな表情を浮かべた。

 第1クオーター(Q)序盤でいきなり連続5得点を許した。その後、キングス初得点となった岸本隆一の3点弾をきっかけに、ヴィック・ローのミドルシュート、再び岸本の3点弾で一気に逆転する。

 互いに得点を取り合う展開となったが、第2Qに入るとゴールが遠ざかり、11点しか取れなかった。千葉Jは3点弾の確率が下がらず点差は開く一方だった。

 キングスは守備から立て直そうとしたが、千葉Jの選手のスピードで打破されてしまう。リバウンドも取れずに速い展開の攻撃を作られ、さらに点差を広げられた。

 bjリーグ時代を含めてキングスの公式戦過去最多失点という思わぬ大差での敗北となってしまった。チーム最多タイの得点を決めた岸本も「負けた原因を挙げればたくさん出てくる。偶然この結果になったとは思っていない」と振り返る。20日にはリーグ戦が再開し、4月には千葉Jとの再戦も控えている。岸本は「『キングスすごく頑張ってる』では、自分たちの立場では許されない。結果で見返していけるように一つ一つここから積み上げていくしかない」と悔しさと危機感をあらわに、会場を後にした。

 (屋嘉部長将)


ロー12得点6アシスト 古巣相手、苦境も気を吐く

 ヴィック・ローはチーム最多の岸本隆一らに次ぐ12得点を挙げ、最多6アシストを決めるなど苦境の中で気を吐いた。第1クオーター(Q)を21―25で落とし、挽回を期して臨んだ第2Q。チーム最初の得点を挙げたが、波に乗りきれなかった。

琉球ゴールデンキングス―千葉ジェッツ 第4Q、仲間に指示を出すキングスのヴィック・ロー(大城直也撮影)
琉球ゴールデンキングス―千葉ジェッツ 第4Q、仲間に指示を出すキングスのヴィック・ロー(大城直也撮影)

 チームにとっては昨季の雪辱の相手だが、自身にとっては古巣でもある。かつてのチームメートとのコート上での対峙(たいじ)には、「平常心で臨んだ」。ただ、千葉ジェッツの組織的な守備に苦しめられ、準決勝では6本打って3本を成功させた3ポイントは、4本中1本に抑えられた。攻守に圧倒された相手とは、リーグ戦でも相まみえる。「強い気持ちを持って戦っていきたい」と次戦に向けて前を向いた。

 (安里洋輔)


相手乗せてしまった

 桶谷大HC(キングス)の話 最初のショットで、警戒していた富樫選手に3ポイントを決められ、相手を乗せてしまった。自分たちも戦えていなかった。ちょっとしたところからひずみが大きくなってこういう点差になった。沖縄の多くのファンの期待がある中での大敗で恥ずかしい。3週間後にはリーグでの千葉戦がある。負けた代償は大きいが、この試合で得たものを見せてファンの方たちに納得してもらわなければならない。