有料

コリンズ(前原)具志堅(浦添)形制す 県高校夏季空手 男女浦添 団体組手V


コリンズ(前原)具志堅(浦添)形制す 県高校夏季空手 男女浦添 団体組手V
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 空手の2024年度県高校夏季大会は27日、那覇国際高校体育館で行われた。個人形の男子はコリンズ・ジョーダン・琉太(前原3年)が決勝を25・90で制した。女子は具志堅あい(浦添3年)が24・60で栄冠をつかんだ。団体組手は男女ともに浦添が優勝した。個人組手は男子が新垣瑠唯(前原3年)、女子は國吉なぎ(コザ2年)が頂点をつかんだ。


力強さ見せつける コリンズ

 ひときわ目立つ力強さとダイナミックな動きを見せたコリンズ・ジョーダン・琉太(前原3年)が男子個人形で優勝した。「1、2年生に負けたくないという気持ちで挑んだ。プレッシャーも少しあった」と緊張していた表情が緩んだ。

男子個人形決勝 切れのあるパープーレンを披露する前原のコリンズ・ジョーダン・琉太=27日、那覇国際高校(喜瀬守昭撮影)
男子個人形決勝 切れのあるパープーレンを披露する前原のコリンズ・ジョーダン・琉太=27日、那覇国際高校(喜瀬守昭撮影)

 予選のクルルンファではどこか焦りがあり、満足いく内容ではなかったという。「決めの部分がうまくいかなかった。雑な形になってしまった」

 決勝に選んだ形は得意のパープーレン。自身の特徴である力強さと重厚感のある動きに加え、素早さを兼ね備えた演武で存在感を見せつけた。

 練習では下半身が浮いてしまい、重さが出ていなかったという。「決勝は最後の気合の場所でタイミング良く止めることができた」と振り返った。

 「3月の全国選抜では体幹が固定できず、重い動きができなかった」と現在の目標は足腰の強化に置く。「全国レベルの空手を目指したい」と今大会では満足せず、さらなる高みを目指す。

 次に見据えるのは5月の高校総体。「県内と九州は優勝が目標。全国インターハイでは全力で闘うことを意識したい」とたくましい表情を見せた。

 (渡真利優人)


平常心を意識 具志堅

 「優勝してほっとしている」と語るも引き締まった表情を見せたのは、女子個人形で優勝した具志堅あい(浦添3年)。

女子個人形決勝 力強いスーパーリンペイを演武する浦添の具志堅あい=27日、那覇国際高校(喜瀬守昭撮影)
女子個人形決勝 力強いスーパーリンペイを演武する浦添の具志堅あい=27日、那覇国際高校(喜瀬守昭撮影)

 決勝で演武した形はスーパーリンペイ。平常心で演武することを意識し、畳に上がった。「練習で指摘されたところはあえて考えなかった。感覚で挑んだ」と振り返った。

 力強い突きに加え、緩急を付けた繊細な動きで栄冠を勝ち取った。思い切り打つことを意識したといい「普段は力みすぎていた回し突きがうまくできた」と笑みがこぼれた。次の目標は5月にある高校総体。「個人・団体の形と組手で優勝したい」とさらなる高みを見せた。

 (渡真利優人)


雰囲気づくり奏功 女子浦添

 団体組手の女子浦添が前原を退けて優勝すると、メンバーは輪になって歓喜した。個人形と2冠を達成した具志堅あい主将は「勝たないといけない場面で逆転負けすることが多かった。今回は気持ちを出して流れを持ってくることができた」とうなずいた。

女子団体組手決勝 浦添―前原 果敢に攻める次鋒の與那嶺綾音(左)=27日、那覇市の那覇国際高校(喜瀬守昭撮影)
女子団体組手決勝 浦添―前原 果敢に攻める次鋒の與那嶺綾音(左)=27日、那覇市の那覇国際高校(喜瀬守昭撮影)

 先鋒の具志堅は中段蹴りで逆転された時も焦りはなかった。「自分が相手を動かす」と圧を掛け続け、相手が出てきたところをカウンターで突く。得点を重ねて5―2で勝利した。

 次鋒の與那嶺綾音は追い上げられた時、得意技の中段突きを頭に描いた。相手が攻めようとした瞬間、「ここしかない」と先の先を取る中段突きを決めた。「危なかったけど、なんとか後ろにつなげた」と2―1で競り勝った。

 「プレッシャーで体ががちがちだった」という副将の平田美月。「とにかく勝つ」と足を使い上段の順突きを刻んでは得点し、4―2で勝利した。

女子団体組手優勝の浦添
女子団体組手優勝の浦添

 3月の全国選抜で2回戦敗退を喫してから、声掛けなどチームの雰囲気づくりから意識が変わったという。3年の菊池陽夏は「技術も大事だけど、それ以前に雰囲気でどこにも負けないチームをつくる」と集大成の県総体へ弾みを付けた。

 (古川峻)


主力欠くも奮起 男子浦添

 男子団体組手決勝。勝てば優勝が決まる浦添の中堅・山内琥徹は「自分が負けても後ろには強い仲間がいる」と余裕を持って臨んだ。試合終了が迫る中、同点に追いつかれた。だが、最後まで落ち着いて対応した。

男子団体組手決勝 浦添―沖縄尚学 上段蹴りを決める浦添の中堅・山内琥徹=27日、那覇国際高校(喜瀬守昭撮影)
男子団体組手決勝 浦添―沖縄尚学 上段蹴りを決める浦添の中堅・山内琥徹=27日、那覇国際高校(喜瀬守昭撮影)

 残り時間8秒で相手の動きが止まった瞬間を見逃さず、上段突きを決めた。最後は「来るのは分かっていた」と相手が前に出てきたところで上段蹴りで一閃(いっせん)。6―3で優勝をつかみ取った。

 体調不良などで主力メンバーを欠く中、「この状態で勝てば県総体でも自信を持って戦える」と奮起した。「県総体も油断せずに勝ち切りたい」と意欲を燃やした。

 (古川峻)

男子団体組手優勝の浦添
男子団体組手優勝の浦添