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キングス3連敗 3点弾に差、地区V黄信号 名古屋Dに79―86<Bリーグ>第58戦【28日の試合】


キングス3連敗 3点弾に差、地区V黄信号 名古屋Dに79―86<Bリーグ>第58戦【28日の試合】 キングス―名古屋D 相手に激しいマークを受けるキングスの今村佳太=28日、愛知県のドルフィンズアリーナ(屋嘉部長将撮影)
この記事を書いた人 Avatar photo 屋嘉部 長将

 プロバスケットボールBリーグ1部の琉球ゴールデンキングス(西地区1位)は28日、愛知県のドルフィンズアリーナで名古屋ダイヤモンドドルフィンズ(同2位)と対戦し、79―86で敗れて3連敗となり、西地区制覇は持ち越しとなった。通算成績は40勝18敗で、西地区首位はキープしている。キングスが同地区で自力で優勝するには、5月4、5日に広島県の広島サンプラザホールで行われる広島ドラゴンフライズ戦で2連勝する必要がある。1勝1敗の場合でも現在2位の名古屋Dが1敗でもすれば西地区7連覇となる。キングスが2敗しても、名古屋Dが2敗なら西地区優勝となる。既にチャンピオンシップ(CS)出場権は獲得しているため、Bリーグ2連覇の可能性は残されている。

 28日の名古屋D戦では、前半にいきなり6連続得点を許したキングス。ジャック・クーリーやアレン・ダーラムがインサイドを中心に得点を重ねるなど立て直し、何度もリードチェンジを繰り返したが、名古屋Dの高確率の3点弾が決まり、35―42で折り返した。

 後半に入ると今村佳太、小野寺祥太の連続3点弾やアレックス・カークの連続ダンクなどで1点差まで迫った。第4クオーターはお互いに得点を取り合う展開となったが、キングスの3点弾の確率が最後まで上がらず、逃げ切られた。

 次戦は5月4日午後2時5分、広島サンプラザホールで広島ドラゴンフライズと対戦する。

 今季最後となった名古屋Dとの西地区首位攻防戦。27日の敗戦から修正し、15回のリードチェンジが起こるなど白熱した試合となったが、この日も3点弾の確率に差が付いた。今季、名古屋Dには4戦全敗と苦汁をなめさせられただけでなく、7シーズン連続の西地区優勝にも黄色信号が付いてしまった。

 27日の試合で3点弾の成功率70%超えと大暴れされた名古屋Dの須田侑太郎に対し、キングスは小野寺祥太を中心にプレスをかけボールを持たせないようにした。須田だけでなく名古屋D全体の3点弾成功率を30・3%にまで落とすことに成功した。

 だが、名古屋Dの激しい守備でプレッシャーをかけられ、キングスは攻撃を組み立てる時間を奪われる。フリーの場面で決める名古屋Dに対し、キングスが放った3点弾の成功率は21・2%。「自信を持ってシュートを打てていないと感じる」(今村佳太)と選手たちが3点弾を打つのを躊躇(ちゅうちょ)しているような場面も見られた。

 連勝した名古屋Dの選手やスタッフ、観客の歓声で会見がストップした際には桶谷大HC、今村は悔しそうな表情を浮かべた。

 自力優勝のためには広島ドラゴンフライズとの2試合に連勝することが必要だ。今村は「もちろん焦っている。雰囲気は正直よくない」としつつ、「ポジティブでない内容をどれだけ乗り越えていけるか。CSで戦っていく上では大きな壁だが、それを個人個人が理解しない限りは優勝できない。そんなに甘いものではない」。厳しい口調で気を引き締めた。 (屋嘉部長将)

牧、ロー中心に引っ張る

ドライブを仕掛けるキングスの牧隼利

 27日の試合で相手に流れを渡すミスが出たセカンドユニットだったが、28日の試合では強度の高い守備と高い得点で、修正力の高さも見せた。

 27日の試合でスチールされてしまった牧隼利とヴィック・ローがセカンドユニットの中心として引っ張った。牧は激しい守備を仕掛け、相手の攻撃を食い止める。ローはドライブなどで切り込み、得点を稼いだ。松脇圭志の2本の3点弾やアレックス・カークの2連続ダンクシュートなどもあり、先発以外のメンバーの得点は35点まで伸び、名古屋Dに17点差をつけた。

 昨季に続き、今季もセカンドユニットが安定した活躍を見せた試合は勝利につながる試合が多い。CSに向けても安定感や得点の爆発力は上げていきたい。「(先発のメンバーに)つなぐだけでなく、流れを呼べるかに責任を持っていきたい」と牧。CSに向けても、さらに完成度を上げていていく。

(屋嘉部長将)


▽Bリーグ1部(ドルフィンズアリーナ、5893人)

名古屋D 39勝19敗
86―79(21―18,21―17,13―19,31―25)
キングス 40勝18敗

我慢しきれず

 桶谷大HC(キングス)の話 後半いい流れがあった。そこで調子の良かったヴィック(・ロー)がファール四つになったのがもったいなかった。我慢して勝ちをもぎ取るということをしないといけなかったのに我慢しきれなかったのが敗因。この二つ負けたのはめちゃくちゃ悔しいし、ショック。個人ではなくチームで戦っているのでそこをしっかりもう一度立て直して広島戦に臨み、CSに向かっていきたい。

CSレベルだ

 ショーン・デニスHC(名古屋D)の話 気持ちもフィジカル面もCSレベルの試合だと思った。琉球が王者というのも分かっているが、私たちも立ち向かった。相手の流れになりそうな時に押しのけられたのは誇り高いこと。この直近4試合で勝って高いスタンダードはつくれた。それを保ちながら次の試合に行きたい。