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トータル大会新 2位と18キロ差 重量挙げ全日本 知念V


トータル大会新 2位と18キロ差 重量挙げ全日本 知念V 女子76キロ級 ジャークで123キロに成功した知念ひめの=28日、諫早市小野体育館
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 重量挙げの第84回全日本選手権大会・第38回全日本女子選手権大会第3日は28日、長崎県の諫早市小野体育館で行われ、女子76キロ級の知念ひめの(糸満中―大阪産業大付高―平成国際大出、自衛隊体育学校)がスナッチ98キロ、ジャーク123キロのトータル221キロで優勝した。トータルで大会新記録を樹立した。同階級の吉武温子(那覇国際高―早大―早大大学院)はスナッチ95キロ、ジャーク108キロのトータル203キロで2位。男子89キロ級の金城優人(南部工高―金沢学院大出、警視庁)はスナッチ133キロ、ジャーク173キロのトータル306キロで3位だった。

【男子】
▽89キロ級 (3)金城優人(警視庁) トータル306キロ(スナッチ133キロ、ジャーク173キロ) 平仲浩也(警視庁)=記録なし

【女子】
▽76キロ級 (1)知念ひめの(自衛隊)221=大会新(98、123)(2)吉武温子(早大大学院)203(95、108)

体を絞り、階級下げ再起

 女子76キロ級の知念ひめのが123キロのバーベルに手を掛けた。トータルで大会新記録が懸かるジャーク3本目の試技。成功すれば2位とトータルで18キロ差になる。のどをうならせて肩までシャフトを上げると、一呼吸置いて差し上げた。雄たけびを上げながら頭上でバーベルを停止させる。「おぉーしっ」。会場の拍手には笑顔で手を振って応えた。

 21年に81キロ級で全日本3連覇したが、その後は両肩の痛みで好成績を残せず、目標だったパリ五輪の選考レースから外れた。「また一から出直そう」と体を絞り、階級を下げて再起を図った。2023年の全日本で3位、同年11月の全日本女子選抜で優勝した。

 今大会はジャークの前に足がつったが、全試技を成功させた。スナッチは階級が上だった21年大会と同じ、ジャークはそれ以上の重量を持ち上げた。「フィジカルが強くなりバテない体ができてきた。その分、練習が積めている」と手応えを語る。

 今大会は世界選手権派遣の参考記録にもなる。「全日本で優勝できたのは良かったけど、世界に目を向けると物足りない。日本新も射程圏内だった」と悔やむ。「ロス五輪を目指しつつ、試合では6本全て成功させて日本記録を意識したい」。4年後の大舞台へ向けて再び歩みを進める。

(古川峻)