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与論、地の利生かす アンカー山田、圧巻スパート「自分のペース意識」 第31回やんばる駅伝


与論、地の利生かす アンカー山田、圧巻スパート「自分のペース意識」 第31回やんばる駅伝 「第31回やんばる駅伝競走与論島大会」でトップでゴールする与論町チームのアンカー・山田勇基=18日、鹿児島県の与論島総合運動公園(又吉康秀撮影)
この記事を書いた人 Avatar photo 池田 哲平

 第31回やんばる駅伝競走与論島大会(主催・同実行委員会、与論町、琉球新報社)は18日、鹿児島県与論町の総合グラウンドを発着点に、島を4周する9区間43・1キロで競われ、地元の与論町が2時間35分36秒で初優勝を果たした。与論町はレース後半の6区以降、名護市南、今帰仁と激しく競り合ったが、最終9区で一気に差を付け、勝負を決めた。2人が区間賞を獲得するなど、地の利を生かした。大会には北部12市町村と与論町から計14チームが参加した。

 レースは序盤から、激しく上位が入れ替わる展開が続いた。第1中継所は昨年覇者の名護市南ね第2中継所は東村が1着でたすきをつないだ。各チームのエースが名を連ねた4区で、与論、今帰仁の上位勢が他チームを徐々に引き離し、6区以降は三つどもえの展開が続いた。最終9区の30代男子(5・7キロ)で、与論の山田勇基がたすきを受け取った直後にスパートし、名護市南、今帰仁を引き離した。2位は名護市南、3位は今帰仁がつけた。

 (池田哲平)


 序盤から目まぐるしく順位が入れ替わった大会で、与論のアンカーの山田勇基は妻・美友からたすきを受け取ると、勝負に出る。「パワーをもらえた。淡々と、自分のペースを刻むことを意識した」と言う。追いつかれないか不安だったというが、安定したペースで刻み、並走が続いていた名護市南、今帰仁を一気に引き離していった。終わってみれば、区間2位に2分近く差を付けて区間賞を獲得、接戦を勝ちきった。

 与論島大会は起伏が激しい難コース。このコースで普段から走り慣れている与論は、序盤から上位集団に位置した。川上嘉久監督が「不安があった」という女子区間も含め、各区間とも沖縄県内の各大会で活躍する選手を多数擁した、名護市南についていった。

 川上監督は「4月にメンバーで練習を始めてから、コース内の長い上り坂でペースを落とさないように意識した」と話す。各選手の粘りの走りが終盤で、チーム力の差を生んだ。離島チームが優勝を果たすのは第15回大会の伊平屋チーム以来の快挙。川上監督は「来年もこのチームで臨めば、連覇も狙える」と話し、次の目標に向けて練習に励む構えだ。

 (池田哲平)