日本ハンドボールリーグ(JHL)男子の琉球コラソンは18日、沖縄市体育館でトヨタ自動車東日本と対戦し、25―31で敗れた。今季の通算成績は4勝19敗1分け、勝ち点9で順位は11位。試合後、堤裕太と佐藤草太、呉■錫、衣笠友貴の引退セレモニーが行われた。
女子のザ・テラスホテルズは香川銀行と今季最終戦を行い、26―23で競り勝った。通算成績は5勝14敗1分け、勝ち点11で順位は9位。GKは前試合でフィールドシュート阻止通算1600本を達成した。試合前には田口に花束が贈呈された。
※注:呉■錫の「呉」は旧字体。■は土ヘンに「育」
引退試合で佐藤、堤が奮闘
琉球コラソンは後半に流れを引き寄せて6点差から3点差まで詰め寄ったが、次第に相手の高さやフィジカルの強さに屈した。自力の差を見せつけられ、6点差で敗れた。
加入6年で引退試合となった佐藤草太と堤裕太が奮闘した。佐藤は立ち上がりから素早いフェイントを織り交ぜたカットインで連続得点を奪った。最後の試合は嫌が上にも気持ちが高まったが、「平常心を保ってプレーした」とチーム最多の7得点をマークした。
後半に佐藤らのカットインからパス回しで連動すると、流れを引き寄せた。堤は左サイドからのスカイプレーなどで得点を決め、「感謝の気持ちを表現したかった」と振り返った。
今季は台湾人選手やシーズン途中の入退団者もおり、東江正作監督は「50年を超すハンド人生で初めてのことだらけだった」と語る。チームはまとまりを欠いたが、最終戦の1週間前から一致団結した練習ができてきたという。東江監督は「今季の厳しさ、悔しさを糧に、来季に変わったと思えるコラソンにしていきたい」と前を向いた。
(古川峻)
パワーに屈した
東江正作監督(コラソン)の話 できれば勝利を届けたかったが、トヨタ自動車東日本のパワーの前に屈した。後半に相手のポストからパスカットしたり、ミスを誘発したりしてうまく戦えた。退団選手のためにも一致団結して臨むことができた。
山田、西原 活躍見せる トヨタ自動車東日本
トヨタ自動車東日本の山田隼也(興南高―早大出)は立ち上がりから高さのある強烈なシュートを決めるなど、主力として存在感を放った。厳しいマークが付いたが、チーム2番目の6得点を挙げた。地元での試合に「小学生に声を掛けてもらった。活躍を見せられてうれしい」と手応えを語った。
昨年冬、福岡大4年でチームに加入したGK西原雄聖(興南高―福岡大出)もスタメン出場した。前半は動きに迷いがあったというが、「ハーフタイムで切り替えた」と後半に好セーブを見せた。スピードや駆け引きのうまさが持ち味の西原は「せっかくの地元の試合。もっと自分らしい、いいプレーを見せられた」と物足りない様子だった。
(古川峻)
田口、好セーブ連発
「3、2、1」。観客が試合終了まで数え終えると、テラスホテルズのメンバーはかけ出し、多くが涙を流して歓喜した。主力選手のけがやメンバー不足、新加入選手との調整など苦しんだ今季は最終戦で、「ベストゲームができた」(GK田口舞)。2月に16点差で大敗した香川銀行に競り勝った。
ミスしても手をたたき合って鼓舞し、機会あるごとにベンチに駆け寄ってハイタッチ。僅差でリードする展開が続くが、喜納歩菜は「追われる感じがしなかった。流れを持っていかれそうな時、誰かが断ち切ってくれた」と振り返る。
勝利の立役者はリーグ最年長のGK田口だ。守備陣が日本代表の岡田彩愛の攻撃をつぶし、枝を張ってシュートコースを狭めた。田口は好セーブを連発し、試合を通して37本中18本のシュートを止めた。
相手の過去3試合と、この試合のシュートを記録したノートをGK陣3人で作成し、試合の合間には気付いたことを共有した。おかげで最終盤はGK桑原美紗季もシュートを止め、勝利を決定的にした。
田口は「気持ちだけでは勝てない。チームの目標のプレーオフに一歩近づける勝利になった」と収穫を語る。来季に向け、勝ち星1つ以上の価値をつかみ取った。
(古川峻)
勝ててよかった
東長濱秀作監督(テラスホテルズ)の話 来季の期待をもって応援してもらえるチームになろうと選手と約束した。選手には難しいことは考えず、体を張ってボールに向かおうと話していた。ホームで勝てていなかったので、最終戦で勝ててよかった。