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「正直、気持ち」 けがを押して出場志願の今村が躍動 キングス連覇へ前進 沖縄【21日の試合】


「正直、気持ち」 けがを押して出場志願の今村が躍動 キングス連覇へ前進 沖縄【21日の試合】 キングス―千葉J 第2Q、3点弾を沈め、大声援に応えるキングスの今村佳太=21日、沖縄市の沖縄アリーナ(又吉康秀撮影)
この記事を書いた人 Avatar photo 屋嘉部 長将

 プロバスケットボールBリーグ1部の年間王者を決めるチャンピオンシップ(CS)のセミファイナル(SF、準決勝)が21日、沖縄アリーナで行われ、琉球ゴールデンキングス(西地区2位)はワイルドカード下位から勝ち上がった千葉ジェッツ(東地区3位)と第3戦に臨み、83―67で勝利した。準決勝の成績を2勝1敗とし、3年連続のファイナル(決勝)進出を決めた。前半、千葉Jのスピードのある攻撃に苦戦したが、リバウンドを死守し、インサイドで強さを見せた。千葉Jのエース、富樫勇樹に15得点されるも、ほかの選手の得点は抑えた。キングスは牧隼利や今村佳太が3点弾を2本決めるなど、外からのシュートも入り、46―31で折り返した。後半に入ると、千葉Jの7連続得点などで追い上げられる。悪い流れを岸本隆一の3点弾で断ち切ると、インサイドを中心に得点を重ね、逃げ切った。決勝進出を決めたキングスは25日から神奈川県の横浜アリーナで広島ドラゴンフライズと対戦する。

キングスー千葉J 第3Q、ドライブからフローターシュートを放つキングスの今村圭太(又吉康秀撮影)

 第4クオーター、千葉Jの最後のシュートがリングにはじかれ、ボールは今村佳太の元へ。残り25秒。今村はドリブルをするも、沖縄アリーナ最多観客となった8712人のファンは勝利を確信して立ち上がり、拍手と歓声が起き始める。千葉Jの選手も守るのをやめて、互いにたたえ合う。ボールを持っていた今村もボールをコートに置き、千葉Jの選手と笑顔を見せて健闘をたたえ合った。

 この日も高い強度の守備を前半から徹底した。千葉Jの富樫勇樹らシューターに岸本隆一や小野寺祥太らが激しく当たり、3点弾の確率17.6%まで落とさせた。インサイドではジャック・クーリーやアレン・ダーラムを中心に体を張って止めた。富樫には18得点されたものの2桁得点は富樫を含め3人に抑えた。

 けがを押して出場した今村は3点弾2本などを決めた。守備では相手エースには激しく付くことはできなかったが、パスコースやドライブのコースを消すポジショニングで千葉Jの前に立ちはだかった。

 準々決勝で負傷した時には準決勝には出場できないと思っていた今村。骨や靱帯(じんたい)には異常がなく、回復を優先した。第2戦に続き、第3戦も志願して出場した。自身の活躍に「正直気持ちじゃないかな」と笑う。

 決勝の相手は広島となったが「対戦相手が誰であろうと自分たちのことにフォーカスして戦いたい」と気を引き締め、3年連続の決勝の舞台に立つ。

 (屋嘉部長将)


【B1チャンピオンシップ】

▽準決勝第3戦(沖縄アリーナ、8712人)

キングス(西地区2位)2勝1敗
 83―67(22―14,24―17,19―24,18―12)
千葉J(ワイルドカード)1勝2敗

(琉球は決勝進出)

二つ勝ち日本一に

 桶谷大HC(キングス)の話 試合の入りが良かったので、集中力の高いバスケットができた。選手らがやるべきことを遂行してくれたことが勝因だ。ファイナルの場に立つまでは連覇を口にしたくなかった。あと二つ勝って日本一になりたい。

胸を張れるシーズン

 ジョン・パトリックHC(千葉J)の話 今季最後の試合で負けたが、素晴らしいシーズンだったと胸を張れる。琉球の方が強いプレッシャーのディフェンスだった。オープンの3ポイントも入らず、リバウンドも取られた。ファイナルも頑張ってほしい。