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下克上で勢いある広島 古巣対決のエバンス警戒 BリーグCS きょう決勝


下克上で勢いある広島 古巣対決のエバンス警戒 BリーグCS きょう決勝 広島のドウェイン・エバンス(左)とルーズボールを奪い合うキングスの今村佳太=2023年12月16日、沖縄市の沖縄アリーナ(小川昌宏撮影)
この記事を書いた人 Avatar photo 屋嘉部 長将

 ワイルドカードでチャンピオンシップ(CS)出場を決めた広島ドラゴンフライズ(西地区3位)。CSではクオーターファイナル(準々決勝)で中地区1位の三遠ネオフェニックス、セミファイナル(準決勝)で西地区1位の名古屋ダイヤモンドドルフィンズと各地区優勝チームにアウェーで下克上を果たし、勢いをつけて初の決勝の舞台に立つ。

 広島はレギュラーシーズン(RS)で一試合平均の失点が73・4点と、リーグで3番目に失点の少ない堅守のチームだ。CSでも平均73・6失点と相手を抑え込んでいる。

 一方、攻撃に関してはRSの79・2点からCS76・2得点とわずかながら下げたが、3点弾は若干確率を上げている。準決勝の名古屋Dとの試合は3試合全てで10本以上決めており、ここから流れをつかむ可能性もある。

 エースはかつてキングスにも所属していたドウェイン・エバンスだ。RSでは1試合平均15・0得点でクラブリーダーだが、CSに入ると3試合で20得点超とより得点力が上げている。ニック・メイはインサイドだが、3点弾の成功確率が41・2%とRSでリーグ3番目に高く、さらに山崎稜はCSに入ってから平均成功確率55・9%と、キングスは長距離砲への警戒も必要になりそうだ。

 キングスは今季RSで広島には3勝1敗と勝ち越しているが、1敗は今月4日の試合で、地区7連覇を逃した手痛い敗戦だった。

 キングスはCS6試合で平均72・5失点と調子の上がってきた堅守で広島を抑え込みたい。そのためには広島のエバンスをヴィック・ローがどのように抑えるのか、また守備職人・小野寺祥太がハンドラーをどれだけ苦しめるかが鍵になる。荒川颯、松脇圭志、牧隼利のセカンドユニットは流れを呼べるか。ジャック・クーリーやアレックス・カークらが武器であるインサイドの強みを生かしながら、岸本隆一や今村佳太らの3点弾で広島を脅かしたい。

 Bリーグで連覇を成し遂げたのはアルバルク東京のみ。キングスは2チーム目として名前を歴史に刻めるか。2度目の頂点まであと2勝だ。

(屋嘉部長将)