県高校総合体育大会(県高校体育連盟、県教育委員会主催)は25日、各地で先行競技の卓球、バドミントン、柔道、空手道、陸上、テニスが行われた。空手道は男子個人形でコリンズ・ジョーダン琉太(前原)、同女子で具志堅あい(浦添)が頂点に立った。団体形は昨年に続き男子は前原、女子は浦添が制した。
具志堅 鬼気迫る形相
女子形決勝に残った6人のうち、150センチとひときわ小柄な具志堅あい。「小さいからこそ大きく見せないといけない」と全身を使ったスーパーリンペイを見せた。下半身の力を突きに乗せ、決めどころは鬼気迫る形相で眼光を投げつけた。「自分らしく見せることができた」と試合後に柔和な笑顔で振り返った。
昨年12月の九州新人の苦い経験が生きた。プレッシャーから動きが硬くなり、第2ラウンドで敗退。全国選抜を逃し、精神面の重要性を痛感した。この日の決勝は他の選手を見ても「自分の演武に集中していた」。決勝は自己ベストの24・5で競り勝った。
練習時からネガティブな意識を取り除き、部活後も学校近くの体育館で形の個人練習に励んできた。高校入学後は空手界のレジェンド、佐久本嗣男氏にも教えを受ける。「空手を見るのが好き」と普段から動画でさまざまな選手の形を研究する稽古熱心さだ。
高校初の全国は「結果は気にせず、自分の最高の形を出したい」と気負いはない。「下半身ができていないと突きが浮いて見える」。より力強い演武を目指し、全国までに体の使い方をさらに追究していく。
(古川峻)
コリンズ唯一の26点台
コリンズ・ジョーダン琉太が鋭い呼気を響かせ、息をためて構える。貫手を差すと、固唾(かたず)をのんで見守る観客を引き込んだ。男子形決勝のパープーレンの冒頭だ。「最初の一発で審判の印象が決まる」。その後も圧巻の演武を見せ、「狙っていた」という唯一の26点台で優勝した。
これで県内主要5大会を制し、点数は自己ベストを更新した。「勝たないと」というプレッシャーから第1ラウンドは動きが硬かったが、次第に柔らかさを取り戻した。決勝は「いつもより脱力し、キレがあった」と納得の演武だった。
団体形と2冠を達成。厳しい稽古は仲間がいればこそ続けられたという。団体形の全国派遣はない。個人形の優勝後、仲間から抱きつかれていたコリンズは「1人で練習することになる。あと2カ月、空手に集中していく」と全国ベスト8を目指す。
(古川峻)