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ファウルトラブルで失速…キングス岸本「立て直せなかった」リード守れず広島に主導権<BリーグCS決勝第2戦>


ファウルトラブルで失速…キングス岸本「立て直せなかった」リード守れず広島に主導権<BリーグCS決勝第2戦> キングス―広島 第2Q、ドライブからシュートを決めるキングスの岸本隆一=26日、神奈川県の横浜アリーナ(大城直也撮影)
この記事を書いた人 Avatar photo 屋嘉部 長将

 琉球ゴールデンキングスの2連覇は28日の第3戦に持ち越された。プロバスケットボールBリーグの年間王者を決めるチャンピオンシップ(CS)ファイナル(決勝)の第2戦が26日、神奈川県の横浜アリーナで行われ、キングス(西地区2位)は広島ドラゴンフライズ(ワイルドカード上位、西地区3位)と対戦し、63―72で敗れた。CSは2戦先勝方式で、決勝の成績は1勝1敗のタイとなった。史上2チーム目となる2連覇を懸け、第3戦に臨む。前半の第1クオーター(Q)は広島のスリービッグの高さの前に先手を奪われた。第1Q途中で最大11点差をつけられるも、第1Q終了間際の牧隼利のスティールからの速攻での得点で流れがキングスに傾き始める。第2Qはヴィック・ローの3点弾、岸本隆一のドライブなどインサイドからの得点などで逆転。守備も第1Qよりも粘り強くなり、広島に9点しか取らせず、34―30で折り返す。第3Qもローの3点弾など7連続得点でリードを広げたが、キングスのミスが重なり、得点が伸びない間に広島に14連続得点され逆転を許した。1点差で始まった第4Qだが、広島に連続3点弾などで引き離された。アレン・ダーラムの得点などで食らいつくも点差を縮めることはできなかった。

▽決勝第2戦(横浜アリーナ、13203人)
広島(ワイルドカード)1勝1敗
 72―63(21―14,9―20,18―13,24―16)
キングス(西地区2位)1勝1敗


 2年連続のBリーグの頂点に王手をかけたキングス。しかし、ミスやファウルトラブルで流れをつかめず、ワイルドカードから勝ち上がった広島の下克上の勢いに押し切られた。

 広島は先発を25日の試合から2人変えてスリービッグでスタート。キングスはそのスリービッグにいきなりつまずいた。インサイドを固められ、なかなかペイントアタックから切り崩せない。苦しい展開が続いたが、キングスもヴィック・ローとアレックス・カークを投入しスリービッグで対応。カークのダンクやローのミドルシュートで食らいついた。

 第2Qにキングスは堅守で広島の攻撃を抑え込む。その間に岸本隆一がルーズボールを追いかけベンチに飛び込みながらキープすると、パス回しからローが3点弾を決めるなど4点のリードを奪った。

 勝負の分かれ目は第3Qだった。キングスはビッグマンを中心にファウルを連続で取られてしまいファウルトラブルに陥る。戦術に沿ったメンバーをコートに立たせられず、さらにミスで自らの攻撃のチャンスを逃し、その間に広島に14得点を連続で奪われる。その後もミスやファウルが続く中、広島に3点弾を連続で決められ、主導権を奪われた。

 25日の試合で成功率40%超で3点弾を決めていた岸本もこの日は12.5%と低調だった。「第4Qでミスから連続失点し、攻撃が重くなった。1本1本のシュートが重たくなる(慎重になる)状況を立て直しきれなかった。自分としてはもう少し早い段階で外が決まってたら違っていたのかな」と反省を口にする。

 「悔しい気持ちはあるが明日以降は忘れて、いいマインドセットをする。火曜日は必ず、より激しく戦いたい」と連覇のかかる第3戦へ気持ちを切り替えた。

 (屋嘉部長将)


切り替えて修正する

 桶谷大HC(キングス)の話 第3Qの出だしは良かったが、10点リードしたところで広島に流れを持っていかれた。自分たちの弱みを消して強みを出せれば強いと思っている。切り替えて修正して40分やり通す。味方を信じて冷静にプレーできるよう、マインドセット(意識の方向付け)をしっかりさせたい。

出だしからリズム

 カイル・ミリングHC(広島)の話 タフな戦いだった。出だしからリズムをつくることができ、自信を持って最後まで続けられた。25日の第1戦の後半で効いていたことを踏まえてビッグラインナップで始めた。それがいい形で効果を発揮した。