琉球ゴールデンキングスは準優勝となり、惜しくも2連覇を逃した。プロバスケットボールBリーグの年間王者を決めるチャンピオンシップ(CS)ファイナル(決勝)の第3戦は28日、神奈川県の横浜アリーナで行われ、琉球ゴールデンキングス(西地区2位)はワイルドカードで勝ち上がってきた広島ドラゴンフライズ(西地区3位)に50―65で敗れた。キングスは対戦成績1勝2敗で準優勝となり、2連覇を逃した。前半から広島の高さと堅守にリバウンドが拾えず、ショットも打たせてもらえなかった。決勝3試合目で初めてリードされて折り返した。後半は第3Q序盤に今村佳太が連続得点などで追い上げムードをつくるも、広島も得点を決めて、なかなか追い上げられなかった。キングスはミスから攻撃の機会を失うなどなかなか点差を縮められず、逃げ切られた。
▽決勝第3戦(横浜アリーナ、12209人)
広島(ワイルドカード)2勝1敗
65―50(17―12,18―17,11―11,19―10)
キングス(西地区2位) 1勝2敗
広島は初優勝
「悔しい実感もないし、はかないなという気持ち」。ファウルアウトで最後までコートに立つことができなかった岸本隆一はぽつりとつぶやいた。堅守同士の対決となった広島との第3戦はロースコアの展開となった。キングスは一度もリードを奪えず、歴代CS決勝で最少得点の50点に抑え込まれて、連覇を逃した。
試合開始から広島のスイッチディフェンスへの対応がうまくいかなかった。ボールを動かせず、ドライブコースをつくれず、インサイドアタックが少なかった。ジャック・クーリーやアレックス・カークを中心に強みのインサイドを生かしたかったが、広島に激しく体を当てられ、複数人で抑え込まれた。岸本や松脇圭志のディープスリーは決まったが、3点弾成功率は16・7%と伸びなかった。
後半追い上げたい展開だったが、ミスが続き攻撃機会を失った。CSで当たっている広島の山崎稜に3点弾を決められるなど、点差は開いた。
追いかける展開では主要メンバーを変えられない。精神的支柱の今村と岸本の出場時間は30分超。第4Qには2人の守備でスイッチミスから得点されるなど、疲れも見えた。桶谷HCは「スイッチディフェンスに対して、僕が選手に糸口、プレーを提案できなかった」と敗因を振り返る。
開幕戦は最も早く、どのチームより長いシーズンだった。連覇に届かなかったことに岸本は「申し訳なかった、期待に応えられなかったのが大きい」とファンへの気持ちを吐露しながら、「ただ、僕たちはこのような経験を経て強くなってきたチーム。そこに対しては今まで以上に期待してほしいなということも同じくらいに思っている」と来季に向けて前を向くように力強い言葉だった。
(屋嘉部長将)
CS決勝進出は誇り
桶谷大HC(キングス)の話 広島のスイッチディフェンスに対して、選手に最適なプレーを提案し続けることができなかった。自分たちにアドバンテージがある部分を広島につぶされた。負けはしたが、東京や千葉を抑えてCS決勝までこられたことは誇りに思う。
選手に感謝したい
広島・ミリング監督の話 私たちの強みはディフェンスだが、このシーズンを通して、選手がこのスタイルを信じてくれて、日々の努力をしてくれて、ここまで勝ち抜いた。選手に感謝したい。