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【注目ポイント】キングス、3点弾が連覇への「鍵」 避けたいファウルトラブル<BリーグCS決勝第3戦>


【注目ポイント】キングス、3点弾が連覇への「鍵」 避けたいファウルトラブル<BリーグCS決勝第3戦> キングス―広島 第2Q、プレーを確認するキングスの(左から)アレン・ダーラム、渡邉飛勇、小野寺祥太、岸本隆一、ヴィック・ロー=26日、神奈川県の横浜アリーナ(大城直也撮影)
この記事を書いた人 Avatar photo 屋嘉部 長将

 プロバスケットボールBリーグの2023―24シーズン王者を決めるチャンピオンシップ(CS)ファイナル(決勝)の第3戦が28日、行われる。琉球ゴールデンキングスと広島ドラゴンフライズの対戦は2試合を終えて1勝1敗。第3戦の勝者が王者となる。キングスの2連覇のかかる運命の一戦の注目ポイントを、広島との決勝2試合から考える。

 第1戦と第2戦の大きな違いは3点弾の成功確率だ。キングスが勝利した第1戦は45・5%だったが負けた第2戦は29・4%と大きく下がった。第1戦は今村佳太ら4選手が2本以上の3点弾を決めていたが、第2戦はヴィック・ローのみだった。複数人のシュートタッチがいいことで相手もマークを絞れなくなるだろう。そのためにはパスやペイントアタックなどからフリーの選手を作り、3点弾が打てるかが重要になりそうだ。

 一方、広島は勝利した第2戦は61・1%と高確率だった。左右のコーナーから5本沈められ、外れたのはわずか1本だ。コーナーからの3点弾はフリーの状況を作られてからの展開が多かったため、フリーの状況を作らせない守りが必要になってくる。また、CSに入って3点弾の確率のいい山崎稜に決めさせないことも必要だ。「山崎が決めると勝てる」という広島の意識を打ち消すためにも、山崎の試投数をゼロにするくらいの激しい守備が求められる。

 負けた第2戦はジャック・クーリーやアレックス・カークといったインサイドの要が、早い時間でファウルトラブルに陥った。2人ともプレー時間は短くなり、2人合わせたリバウンドの本数は第1戦から5本減った。さらに第2戦はターンオーバー(TO)が14個あり、そこから23得点された。TO14個のうち5個はオフェンスファウルで、オフェンスファウルを減らすことも大切だ。また第2戦で脅威となった広島のスリービッグに対して、どのように対応するかも注目ポイントだ。

 CSはキングスの堅守が復活し、勝ち進んできた。広島との2試合もスコアはあまり伸びず、第3戦もロースコアになる可能性がある。キングスはいい形で攻撃を終えて守備に徹し、攻撃のフラストレーションを守備に持ち込まないことが重要になりそうだ。

 (屋嘉部長将)