県高校総体は28日、先行開催の3競技が各地で行われた。卓球の学校対校戦は男子首里が50年ぶり5度目、女子コザが6年ぶり17度目の優勝を果たした。テニスの男子シングルスは喜久川楓(沖縄尚学)、金城朝夢(同)、ダブルスは喜久川・越村昭斗(沖縄尚学)、比嘉輝・次呂久由恭(那覇西)がそれぞれ決勝へ進んだ。女子シングルスは宇都宮早絵(沖縄尚学)、井手葵(同)、ダブルスは水口由貴・井手(沖縄尚学)、渡久地杜生・宇都宮(同)で決勝を戦う。バドミントンは男女16強が出そろった。
ラリー粘り個人戦王者下す 国広・稲嶺 コザ
女子学校対抗戦の優勝が懸かる第3試合。コザは試合の肝のダブルスを、初めて組む1年の稲嶺仔香と3年の国広沙希に託した。対する糸満は、個人戦ダブルス覇者の上原南羽・原國柚月だ。上原はシングルスも制している。ほとんどぶっつけ本番だったが、コザの2人は個人戦で調子が良く、研究されていない「隠しダネ」(廣山祐樹監督)だった。
競り合って1ゲームずつ奪い合い、迎えた第3ゲーム。8―8の場面で話し合い、稲嶺がこれまでと異なる巻き込みサーブで2連続エースを奪った。続くゲームポイントはラリーを制し、2人でガッツポーズ。第4ゲームは終始優位に展開し、マッチポイントは国広の下回転サーブエースで勝負を決めた。
多彩なサーブから3球目で決めるなど、サーブからゲームを組み立てた。狙うコースや緩急、回転を変えながら相手を揺さぶり、「粘ってラリーで勝つ。相手を動かしてミスを誘う」(国広)という作戦が当たった。
無回転など返球が難しい球を打つ上原の対策として、4月から上原と似たスタイルでプレーする外部コーチを招き、練習してきたことも生きた。国広が「3冠は絶対にさせない」と臨んだ学校対抗戦。集大成で積み重ねた努力を結実させた。
(古川峻)
「攻めずにつなぐ」で雪辱 玉城・浜川 首里
男子学校対抗戦は首里のエースダブルス、玉城一真・浜川泰地の勝利で優勝が決まった。相手は那覇国際のエースダブルスで4月の県大会で敗れた親泊杜築・外間政宏だ。雪辱を果たした玉城は「この大会で勝つことをチームの目標にしていた」と喜んだ。
県大会と県総体の個人戦ダブルスは攻撃的なプレーで敗れたため、学校対抗戦で初めてプレースタイルを一転させた。「攻めずにつなぐ」と相手のミスを待った。第3ゲームをラリーで崩すと、その後は流れを渡さずに完勝した。
玉城は全国へ「目の前の一戦に集中する」と初戦突破を目指す。浜川は「2人で必ず取って、あと1本を勝てるようなチームにしていきたい」と意気込んだ。
(古川峻)