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ローイング 當銘・前田(美里工) 勝利胸に九州同校対決へ<2024県高校総体>あす開幕


ローイング 當銘・前田(美里工) 勝利胸に九州同校対決へ<2024県高校総体>あす開幕 美里工ボート部3年の(左から)前田琥朱(こあ)と當銘由雄斗(ゆうと)=28日、沖縄市泡瀬(名波一樹撮影)
この記事を書いた人 アバター画像 名波 一樹

 2024年度の県高校総合体育大会(県高校体育連盟、県教育委員会主催)が1日、県内各地で本格的に始まる。ローイングと名称を変えたボートでは、美里工3年の2人が切磋琢磨(せっさたくま)しながら上達の道を歩んできた。九州で決勝に進むことを目標に、県総体で力を出し切ることを誓う。

 ヨット420級で九州に通用する記録を目指す知念3年ペアは、海上の風向きや潮の流れなど自然条件を見極めながら進む競技の魅力を語り、集大成の思いで挑む。水球の那覇商は九州大会に向けて闘志を燃やしている。大学生らとの練習や合宿をこなしモチベーションを高めている。総合開会式は31日、県総合運動公園レクリエーションドームで行う。出場選手らは、九州各県で開催する全国総体「北部九州総体」(7月21日~8月20日)の出場権獲得を目指す。


 2人でつかんだ勝利を胸に、九州大会決勝で初となる同校対決を誓う。美里工ボート部3年の當銘由雄斗(ゆうと)・前田琥朱(こあ)のコンビは、これまで二人三脚のダブルスカルで苦楽をともにした。県総体は九州・全国を見据えての出場だ。九州はそれぞれ単独のシングルで出場を予定する。「手加減はしない」と、ともにオールをこいできた2人は口をそろえ、決勝での一騎打ちを目指している。

 空手少年だった當銘は同高ボート部に所属していた父の薦めで、球児だった前田は新しいことに挑戦しようと、それぞれ1年の4月に入部した。初めて競技用ボートに乗って「転覆しておぼれるのでは」(當銘)、「想像以上に速い」(前田)とそれぞれ恐怖を感じた。それでも練習を重ね、他のボートと並走できるようになると楽しさに変わった。県外大会では大敗ばかりだったが、悔しさを糧にひたすらボートに乗り続けた。

 昨年11月の九州大会。5艇で1キロの直線を駆け抜けるダブルスカル予選レースで、バランスよくオールをこいで3位に入り、準決勝進出を果たした。それまでの予選突破は出場校が少なく自動的なもので、初めて自分たちの力でつかんだ勝利だった。「今でもあの時の話をする」と笑顔で語る2人にとって、この体験は自信とかけがえのない思い出になった。一島雅士監督は「この2人なら、九州決勝での同校対決を狙える」と太鼓判を押した。

 九州を終えると、再びダブルで全国へ挑む。「順位もタイムも上げて決勝進出を目指したい」と、2人は目標へとオールをこぐ。

 (名波一樹)