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ヨット男子2人乗り 島袋・高良(知念) 風と波見極め集大成披露<2024県高校総体>あす開幕


ヨット男子2人乗り 島袋・高良(知念) 風と波見極め集大成披露<2024県高校総体>あす開幕 全身に潮風を受けながら加速する知念の高良流空(左)と島袋秀俊=29日、与那原町東浜の与那原マリーナ(渡真利優人撮影)
この記事を書いた人 Avatar photo 渡真利 優人

 2024年度の県高校総合体育大会(県高校体育連盟、県教育委員会主催)が1日、県内各地で本格的に始まる。ローイングと名称を変えたボートでは、美里工3年の2人が切磋琢磨(せっさたくま)しながら上達の道を歩んできた。九州で決勝に進むことを目標に、県総体で力を出し切ることを誓う。

 ヨット420級で九州に通用する記録を目指す知念3年ペアは、海上の風向きや潮の流れなど自然条件を見極めながら進む競技の魅力を語り、集大成の思いで挑む。水球の那覇商は九州大会に向けて闘志を燃やしている。大学生らとの練習や合宿をこなしモチベーションを高めている。総合開会式は31日、県総合運動公園レクリエーションドームで行う。出場選手らは、九州各県で開催する全国総体「北部九州総体」(7月21日~8月20日)の出場権獲得を目指す。


 風上に対して45度方向。風向きや潮の流れをつかみながらジグザクに進んでいく。身を大きく乗り出し、風を受けながらヨットの体勢を保つ。高校最後の集大成に挑むのは島袋秀俊(しゅうと)と高良流空(りく)(知念3年)。2人は全長420センチの船艇を操る「420(ヨンニーマル)級」に出場する。

 「海が好き」と口をそろえる2人がヨットを始めたのは高校から。波に乗って滑走するかっこよさに引かれた。先輩と一緒にヨットに乗り、技術を習得していった。「海に落ちることは怖かった」と入部当時を振り返り、ほほ笑む2人。

 デッキに体を乗り出し、体重を使って船艇のバランスを取るクルーに高良、ティラーを押したり引いたりしながら、船を操縦するスキッパーに島袋がつく。常に変化する風向きや潮といった自然の状況を見極めることから「洋上のチェス」とも称されるヨット。高良は「自然を相手に戦う競技。互いの息を合わせることが最大の攻略法」だと実感する。

 高校最後の県総体に向け、週に6回練習に打ち込んできた。島袋は「最適な方向を導き出すために意見をぶつけ合うこともある。ただ、それは互いを信頼しているからだ」と力を込める。昨年の九州大会では他県との実力の差を痛感した。2人は「九州と全国大会に向け最短時間でのゴールを目指す。風の流れをしっかりと見極めたい」と今大会への決意を見せた。

 同級生コンビは全身に潮風を浴びながら、海原を突き進む。

 (渡真利優人)