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崎山(北部農林)無差別級頂点 天敵対策奏功、2冠達成 <2024県高校総体>相撲


崎山(北部農林)無差別級頂点 天敵対策奏功、2冠達成 <2024県高校総体>相撲 無差別級決勝 寄り切りで勝負を決める崎山大喜(上)=1日、うるま市具志川ドーム(古川峻撮影)
この記事を書いた人 Avatar photo 古川 峻

 県高校総合体育大会が1日に本格的に始まり、県内各地で18競技を行った。相撲個人戦の無差別級と100キロ以上級で崎山大喜(北部農林)が2冠した。100キロ級で山城咲武斗(中部農林)、80キロ級で眞榮里優翔(同)がそれぞれ頂点に立った。団体戦は中部農林が8連覇した。


 無差別級決勝で崎山大喜(北部農林3年)が、小学6年生の頃から負け続けているという山城咲武斗(中部農林3年)と向き合った。「絶対に勝つ」。立ち合いで強く当たると前に出て、右四つの体勢に。相手に左上手で振られるも胸を寄せて動じず、そのまま寄り切り。「ほとんど覚えていない」と集大成の金星を照れくさそうに振り返った。

 崎山は100キロ以上級でも安定した押し相撲でリーグ全勝し、2冠を達成。「ずっとうれしさはある」とぽつりぽつりと話す言葉に喜びがにじみ出ていた。

 昨年度は唯一の北農生として、てっぽう300回など1人黙々と朝稽古に励み、午後は中学生らと稽古を積んだ。昨年の新人大会と直近のOTV杯を制した山城対策として、似た取り口の玉城鳳真(大宮中)に積極的に胸を借りてきた。

 宮城和志監督によると、力がある一方で勝てる相手に敗れるなど、精神面に課題があったという。宮城監督は「優しくておっとりした性格だが、今日は緊張感があって集中力が違った」とたたえた。九州、全国で16強以上を目指す崎山。「いい成績を残し、できれば入賞したい」。大舞台で秘めた闘争心を見せる。

 (古川峻)


山城(中部農林)100キロ級優勝 赤嶺(美咲特支)、真っ向勝負挑む

 個人戦100キロ級決勝は日頃から一緒に稽古を積む赤嶺悠真(美咲特支1年)と山城咲武斗(中部農林3年)が顔を合わせた。相撲好きの赤嶺は、小学生の頃から中部農林で出稽古を積み、高校で初めて憧れの県総体の土俵に立った。対する山城は、数々の県大会を制した中部農林の主将だ。

100キロ級決勝 美咲特支の赤嶺悠真(左)を豪快に破る中部農林の山城咲武斗(ジャン松元撮影)
100キロ級決勝 美咲特支の赤嶺悠真(左)を豪快に破る中部農林の山城咲武斗(ジャン松元撮影)

 赤嶺は大会前に左膝をけがしていたが「今の感じで出る自信があった」。立ち合いで真っ向勝負を仕掛け、前へ押した。だが土俵際でくるりと返され、突き落とされた。それでも「足が痛かったけど気持ちを切り替えた。前に出る自分の相撲が取れた」とうれしそうに語った。

 山城は個人戦100キロ級と団体戦を制したものの、無差別級との3冠を達成できず悔しそうだった。全国総体100キロ級で頂点を狙い「自分の形の相撲で決められるように徹底して稽古をしたい」と気を引き締めた。

 (古川峻)