有料

FC琉球競り勝つ 今治に1―0 FW高木、今季初ゴールが決勝点【8日の試合】


FC琉球競り勝つ 今治に1―0 FW高木、今季初ゴールが決勝点【8日の試合】 FC琉球―FC今治 後半42分、決勝弾を決め仲間と喜ぶ琉球の高木大輔=8日、沖縄市のタピック県総ひやごんスタジアム(大城直也撮影)
この記事を書いた人 Avatar photo 古川 峻

 サッカーの明治安田J3第16節第1日は8日、各地で行われ、FC琉球OKINAWAは沖縄市のタピック県総ひやごんスタジアムでFC今治と対戦し、1―0で競り勝った。通算成績は7勝3敗6分け。勝ち点27で順位を3位に上げた。

 前半は互いにシュートは放つがゴール枠内をとらえられず、拮抗(きっこう)した展開になった。後半はほとんどのこぼれ球を琉球が奪取し、ボールを支配した。好機を何度もつくる中、後半42分に高木大輔がセンタリングを頭で決めた。

 次戦は16日午後7時から、沖縄市のタピック県総ひやごんスタジアムで福島ユナイテッドFCと戦う。

(1)タピスタ
琉球 7勝6分け3敗(27)
 1―0(0―0,1―0)
今治 7勝2分け7敗(23)
▽得点者 【琉】 高木(1)
▽観客 2303人


日々の積み重ね結実

 FC琉球の選手、サポーターの誰もがその瞬間を待っていた。再三チャンスをつくった後の後半42分。固まった中央からロングパスが左サイドに通った。次にパスを受けたMF平松昇がニアサイドからセンタリングすると、2枚目から勢いよくFW高木大輔が飛び込んできた。「みんながスペースを空けてくれていた」。170センチが頭で決めた。

 じりじりとした展開を打破し、観客は立ち上がって絶叫。選手はもみくちゃになって喜びを分かち合った。FW野田隆之介が「自分のゴールよりうれしかった」と語るように、チームにとって大きな決勝点だった。

 「2月になったら引退することも考えていた」という高木。今年1月に琉球からオファーが届くと、わらにもすがる思いで飛びついた。控室での声掛けなどチームへの献身ぶりは誰もが認めるところ。だが昨季第2節から得点はなく、「自分の武器は何だろう」と模索の時期が続いた。苦しむ姿を間近で見てきた仲間たちも高木の今季初ゴールを待ち望んでいた。

 試合後、長く涙した高木に金鍾成監督は「プロとしてチームのために結果が必要だというのが強くあり、ゲームが終わった後の涙になった。日々求めて集中している結果が表れた」とうなずいた。

 白井陽斗らチームを引っ張るストライカーが不在の中、控え選手がパスをつないでもぎとった1点でもある。仲間への感謝を口にした高木は「このチームで、琉球で上に行きたい」と意欲をたぎらせた。

 (古川峻)


点を取り切れた

 金鍾成監督(琉球)の話 ボールをできるだけ動かしながら、どうゴールをこじ開けるかだった。われわれのペースでゲームを運んでいたが、ここで勝つことが難しい。相手のセットプレーなどをしっかり粘って、大事なところで点を取り切れたのがよかった。

暑さにやられた

 服部年宏監督(今治)の話 暑さに選手がやられた。攻守の切り替えや頭のシャープさが出なかった。前半はチャンスはつくれたが、決定的なところまではいけなかった。粘り強くやった中で失点したのはもったいない。この暑さの経験を次に生かしたい。