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4強分析(上) エナジック、ウェルネス沖縄 甲子園を目指しきょう準決勝 高校野球沖縄大会


4強分析(上) エナジック、ウェルネス沖縄 甲子園を目指しきょう準決勝 高校野球沖縄大会
この記事を書いた人 アバター画像 名波 一樹

 甲子園出場を懸けた第106回全国高校野球選手権沖縄大会第10日は20日、沖縄セルラースタジアム那覇で準決勝2試合を行う。午前10時開始の第1試合は創部3年目で春季大会初優勝を成し遂げたエナジックと、昨春初優勝で2年連続2度目の準決勝進出を決めたウェルネス沖縄が対戦する。午後0時半開始予定の第2試合は、昨秋覇者で3年連続31度目の4強入りの興南と、2年ぶり2度目のKBCが対戦する。夏の選手権県大会4強に県立高校が残らなかったのは初めてで、興南以外は甲子園未出場。21日の決勝進出を懸けて戦う4校の戦力や見どころを紹介する。

(名波一樹)

見どころ

 今春初優勝を果たしたエナジックと昨春初優勝を果たしたウェルネス沖縄が相まみえる。両チームとも打率4割前後の高い打撃力を誇り、打ち合いも予想される。盗塁数は4強最多のエナジックにウェルネス沖縄が次ぐ。守備はここまで継投で疲労を分散させたエナジックに対し、ウェルネス沖縄は勢いのあるエースが中心。両者小技も駆使して先発投手のリズムを崩したい。同カードだった今春の準々決勝はエナジックが8―0で勝利した。さらに強さを増したエナジックに、ウェルネス沖縄が雪辱を期す。

エナジック 機動力強力 残塁は最少

[攻撃]

 3回戦で沖縄尚学をコールドで破るなど、春に続き「ノーサイン」で快進撃を続ける。チーム打率は3試合で3割7分8厘と、春の3割2分6厘(全6試合)からさらに向上している。起点は出塁率6割超、打率4割超の1番・イーマン琉海。チーム盗塁数が4強最多の6と機動力も高く、あっという間に得点圏へ走者を進める。準々決勝で勝ち越し打を放った3番・眞喜志健之朗は打率4割。好機を生かす力も備え、1試合の平均残塁は最少の5・67だ。

浦添商業―エナジック 5回無死三塁、エナジックの龍山暖のスクイズで生還する眞喜志健之朗=14日、沖縄市のコザしんきんスタジアム(喜瀬守昭撮影)

[守備]

 鋭いスライダーが持ち味のエース・古波蔵虹太を筆頭に、投手陣が相手打者を凡打に打ち取ってきた。古波蔵は3回戦で沖縄尚学打線を無失点に封じた。継投の大城颯斗も無失点と頼りになる。今大会でまだ登板はないが、緩急を駆使する松田凜翔も控えている。層の厚い投手陣を、強肩捕手の龍山暖がリードする。チームは3試合でわずか1失点、失策0と抜群の安定感だ。ウェルネス沖縄の強打線を封じられれば、勝ち星を引き寄せられる。

一点一点を確実に

 新里哲弥主将 これまで自分たちのペースで試合を運ぶことができた。機動力と小技を生かし、一点一点を確実に取りたい。

今まで通りプレー

 神谷嘉宗監督 子どもたちが作り上げた野球が形になってきている。メンタル面を調整し、今まで通りのプレーを心がけたい。

ウェルネス沖縄 エース安里 全試合力投

ウェルネス―北山 8回を投げて被安打10、3失点の好投を見せたウェルネス沖縄の安里大地=14日、沖縄セルラースタジアム那覇(又吉康秀撮影)

[攻撃]

 チーム打率は4割2分9厘と4強の中で最も高い。犠打飛も4強トップで着実に点を重ねる。3回戦から1番で先発した長山慧は、準々決勝で4打数3安打、出塁率8割と勝利に貢献した。主砲の大濱安綺は打率5割と当たっており、主将としてもチームを活気づけている。準々決勝は終盤で追い上げられたが、強力な打撃力で7得点していたため逃げ切ることができた。4強の中で唯一、全試合2桁安打の強力打線に火が付けば、勝利をもぎとれる。

[守備]

 今大会はエースの安里大地が全試合で先発を務め、通算19回0/3を投げ18奪三振、防御率1・89と力投している。130キロ台後半の直球、スライダーなどを武器にタフな投球でマウンドに立ち続ける。準々決勝は8回2/3を投げ、3失点の好投をみせた。控えの1年生・沖西勇士は140キロ台の速球を投げる。今春は守備の崩れなどから敗北を喫したが、今大会は平均失策1と安定しており、チーム一丸でエナジックの機動力を封じたい。

焦らないこと大事

 大濱安綺主将 焦らないことが一番大事。相手の小技をつぶして、一つずつアウトを取る。打撃でワンチャンスをものにしたい。

挑戦者として戦う

 五十嵐康朗監督 挑戦者として戦いたい。エナジックは力も実績もあるチームだ。なんとか食らいついて戦いたい。