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東風平、延長7得点 土壇場で好機逃さず ビッグイニングで雪辱 県中学軟式野球


東風平、延長7得点 土壇場で好機逃さず ビッグイニングで雪辱 県中学軟式野球 東風平―豊見城 延長8回1死満塁、東風平の金城幸空の適時打で生還する前盛翔愛=27日、沖縄市のコザしんきんスタジアム(喜瀬守昭撮影)
この記事を書いた人 Avatar photo 名波 一樹

 中学軟式野球の頂点が決まった。沖縄市のコザしんきんスタジアムで27日に行われた第76回県中学校野球選手権大会(主催・県中学校体育連盟、県教育委員会、琉球新報社)決勝で、東風平は延長八回タイブレークの末に豊見城を11―5で破り、2年ぶり5度目の優勝をつかんだ。豊見城が初回に先制、二回に東風平が1点を返して同点に。四回に豊見城が1点を追加してリードするも、六回に東風平が3点を追加して4―2とした。七回には豊見城が粘りをみせて同点に追いついた。延長八回タイブレークで、東風平が打者一巡で7得点を挙げて突き放した。東風平と豊見城は佐賀県で8月6~9日に行われる第49回九州中学校軟式野球競技大会の出場権を獲得した。全国中学校体育大会出場となる上位3チーム入りを目指す。


 東風平が延長タイブレークの八回にビッグイニングをつくった。最終の七回に同点とされたが、チームの強みは「土壇場でも楽しめること」(勢理客一誠監督)。好機を逃さない攻撃で7点を挙げ、昨年の決勝で敗れた相手に雪辱を果たした。

 八回に向かう選手らに、勢理客監督は「(沖縄で)1番になるチャンスだ。楽しもう」と声をかけた。チームは得点圏で一打を出せるよう実戦練習を積んできた。敵失で1点を奪うと、9番神谷優音は「いい雰囲気でもっていきたい」と内野安打で追加点を挙げた。

 その後、1死満塁の好機を迎え、3番金城幸空は「真っすぐを狙って流した」と右へ抜ける適時打で2点を追加した。「流れは来ていたので、自信はあった」と練習成果を体現した。

 今大会初登板で先発した左腕・前盛翔愛も勝利に寄与した。決勝前夜に勢理客監督から起用を伝えられた。「冗談だと思った」と驚くも、勝負どころは直球で押して6回2失点の力投だった。

優勝の東風平=27日、沖縄市のコザしんきんスタジアム(喜瀬守昭撮影)

 神谷俊嘉主将は「九州でも全員野球で勝って、全国を目指す」と達成感にあふれた顔で勝利を誓った。

 (名波一樹)


豊見城 延長こじ開ける

 豊見城が2点を追う最終七回に粘りを見せた。1死一塁で9番宮平大心は「何も考えず後ろにつなぐつもりだった」と気負うことなく打席に立った。初球低めを左中間に運んで適時三塁打に。1番玉城成琉の犠飛でさらに1点をもぎとり、試合を振り出しに戻した。

東風平―豊見城 1回1死三塁、先制の適時打を放つ豊見城の比嘉清之介=27日、沖縄市のコザしんきんスタジアム(喜瀬守昭撮影)

 延長戦でライバルに敗れたが、チームは九州切符を手にした。先制適時打を放った3番比嘉清之介は「九州大会で(東風平に)当たったら勝ちたい」と燃えている。主将の渡慶次羚斗は「みんなに助けられてここまでこられた」と感謝を口にした。

 (名波一樹)