第2ピリオド6―4の場面から4連続失点などで苦しんだ日本。開催国フランスとのアウェーの状況でシュートはことごとくポストにはじかれたり、相手GKの好セーブに阻まれたりした。第4ピリオド残り5分1秒の9―13の場面、棚村克行(ブルボンKZ)が投入された。「悪い流れを止めるために出された」。勢いよくプールに飛び込んだ。
後方から声掛けして味方に指示を出す。「全力でプレーする以外は考えていなかった」。前から圧を掛ける「パスラインディフェンス」で味方がボール奪取すると、カウンターで流れを変えた。ワンタッチの素早いシュートなどで一挙に3連続得点し、残り3分10秒を残して1点差に詰め寄った。
だが続く相手のシュートを棚村が手で触れるも決められる。その後1点返したが、最後は相手の堅守に逃げ切られた。観客が無数の三色旗をはためかす中、日本選手はぼうぜんとした様子だった。「結果的に勝てなかったのは私の力不足」。予選2試合を1点差で惜敗し、目標の8強入りが遠のいた。
(古川峻)