8日に行われたパリ・パラリンピックの車いすマラソン女子(T54)に出場したうるま市出身の喜納翼選手(34)。東京大会に続く出場に、学生時代から親交のある友人らは沖縄から声援を送った。出身のコザ高校の生徒は、世界の大舞台で活躍する先輩の姿に「希望をもらった」とたたえた。
喜納選手と大学時代にバスケットボール部でチームメートだった安里愛乃さん(34)=浦添市=はテレビでレースを見守った。レース序盤、なかなか名前が呼ばれない状況に心配もあったが順位を上げた喜納選手に「12位まで順位を上げてくるのは翼らしいレースだ」と喜んだ。一方、レース後に涙ながらにインタビューに答える姿に「2度目のパラで背負うものがあったのかも」とおもんぱかり「頑張っている姿に元気をもらった。お疲れさまもそうだが、一番はお帰りと言って出迎えたい」と喜納選手の帰りを待ち遠しそうに語った。
同じく大学のバスケ部仲間で現在も親交のある下里友見さん(37)=中城村=は東京大会後、葛藤する喜納選手をそばで見てきた。「記録が伸び悩んでも、感謝の気持ちで取り組むことを信念に掲げていた。(私も)毎回刺激をもらっている」と存在の大きさを語った。
大会の結果に「悔しさもあるかもしれないが、やり切ったつーばー(喜納選手)をたたえたい。帰ってきたらゆっくり飲みたい」とねぎらった。
コザ高生徒会長の佐久田幸汰さん(17)は「同じ学校で育ってきた人が世界で戦っていることに、自分も日本や世界の舞台で活躍できるかもと思えるような希望をもらった。車いすの生活になってもスポーツを続けている姿勢は、けがをした人、不自由な人もそうでない人も、みんなを勇気づけてくれると思った」と先輩を誇った。
(屋嘉部長将、渡真利優人、名波一樹)