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天久(本部)けが越え頂点 「高校3連覇目指す」出場選手唯一の1年生 北部九州総体・重量挙げ


天久(本部)けが越え頂点 「高校3連覇目指す」出場選手唯一の1年生 北部九州総体・重量挙げ
この記事を書いた人 Avatar photo 屋嘉部 長将

 【北部九州総体取材班】全国高校総合体育大会・北部九州総体は2日、九州各県で行われた。重量挙げの男子55キロ級で天久星七(本部)がスナッチ103キロ、ジャーク114キロのトータル217キロで頂点に輝いた。スナッチは大会タイ記録。女子49キロ級では大村朱音(沖縄工)がスナッチ67キロ、ジャーク80キロのトータル147キロで4位に入った。


 中学時代に全国中学生選手権大会3年連続優勝、日本中学記録を何度も塗り替えた天久星七(本部1年)。5月末の右足首の大けがを乗り越え、初の全国総体でスナッチ、ジャーク、トータルの全てで頂点に立った。出場選出中、唯一の1年生は「足の状態もあったので、三つ取って完全優勝できたのは良かった」とほっとした表情を見せた。

男子55キロ級 ジャークで114キロを挙げる本部の天久星七=2日、長崎県の諫早市小野体育館(ジャン松元撮影)

 スナッチは98、101キロと成功させ、3本目は大会タイ記録となる103キロ。大会新も狙えたが、「記録にこだわらず無理をしない」と103キロを挙げた。

 スナッチで2位と7キロ差をつけると、他の選手の様子を見ながらジャークの重量をコールした。1本目の111キロを成功させると、続けて114キロ。しかし、キャッチの位置が前になり、バランスを崩した。「取らないといけない」と同重量の3本目は少し時間をかけ、ゆっくり落ち着いて挙げ切った。

 6月の県高校総体の3日前に右足首の靱帯(じんたい)を損傷した。歩くのもつらい状況だったが全国大会出場へ必要最低限の記録を挙げて県大会を優勝。その後は全国総体へ向けて回復を最優先にし、大会出場を控えた。

 ギプスをつけている間に上半身を鍛え、結果的にキャッチの時のぶれが少なくなった。ギプスが外れたのは全国総体の3週間前で、最初は40キロから始め1週間前には100キロまで挙げられるように。「いろいろな人のサポートがあってここまでこられた」と感謝を口にした。

 「高校で3連覇。来年は全力で記録も狙いながら優勝したい」。全国総体でまだ1人しか達成していない3連覇に向けた挑戦が始まった。

(屋嘉部長将)

 (長崎県諫早市小野体育館)
▽男子55キロ級スナッチ (1)天久星七(本部) 103キロ=大会タイ、(29)仲村渠大幸(糸満) 70キロ
▽同55キロ級ジャーク (1)天久星七(本部) 114キロ、(27)仲村渠大幸(糸満) 90キロ
▽同55キロ級トータル (1)天久星七(本部) 217キロ、(26)仲村渠大幸(糸満) 160キロ
▽同61キロ級スナッチ (24)与那覇颯太(宮古) 82キロ
▽同61キロ級ジャーク (25)与那覇颯太(宮古) 99キロ
▽同61キロ級トータル (21)与那覇颯太(宮古) 181キロ

▽女子49キロ級スナッチ (2)大村朱音(沖縄工) 67キロ、(12)松田すず(嘉手納) 52キロ
▽同49キロ級ジャーク (4)大村朱音(沖縄工) 80キロ、(10)松田すず(嘉手納) 65キロ
▽同49キロ級トータル (4)大村朱音(沖縄工) 147キロ、(11)松田すず(嘉手納) 117キロ