【北部九州総体取材班】全国高校総合体育大会・北部九州総体は5日、九州各県で行われた。剣道男子団体は興南が優勝候補の一角、桐蔭学園(神奈川)と大将戦までもつれる激闘の末、1―2で敗れた。日章学園(宮崎)にも敗れ、本戦進出を逃した。女子個人戦はいずれも興南の宮城遥和(3年)、島袋美々夏(2年)が初戦で敗れた。
「優勝を目指していた」と、目を赤らめながら大会に懸ける思いを語った男子102キロ級の石川太陽(嘉手納3年)。頂点にはあと一歩及ばなかった。
スナッチは不調続きだった。1本目を失敗し、2本目で123キロを成功させた。さらに「相手が直前に126キロを成功させたので負けられなかった」と、3本目は申告から1キロ上積みした127キロの大会新記録に挑んだが、上半身にバーベルを引き上げるセカンドの動作がうまくいかず、失敗に終わった。
勝負どころのジャーク3本目。大声で気合を入れ、自分を奮い立たせて試技台に上がった。「確実に成功させる」と149キロのバーベルをつかむと、クリーンで呼吸を整え、一気に差し上げ、成功させた。
石川が全試技を終えた時点の順位は1位。最後に相手が逆転優勝の150キロを成功させ、頂点に立つことはできなかった。
石川は「優勝して周りの人に恩返ししたかったがかなわなかった。力は出し切ることができた」と声を振り絞った。
今後は国民スポーツ大会の九州予選が控える。石川は「試技の成功率を上げ、記録を塗り替える」と気持ちを新たにした。
(渡真利優人)