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たった1人の部員 高校最後の夏、充実の笑顔で終える 南風原の金子と新垣 北部九州総体・新体操


たった1人の部員 高校最後の夏、充実の笑顔で終える 南風原の金子と新垣 北部九州総体・新体操 演技を終えて笑顔を見せる金子あかり(左)と新垣大輔=6日、北九州市立総合体育館
この記事を書いた人 Avatar photo 稲福 政俊

 【北部九州総体取材班】全国高校総合体育大会・北部九州総体は6日、九州各県で行われた。

新体操は個人競技の男女に南風原の金子あかり(3年)と新垣大輔(同)が出場した。同じ学校だが部活は男女で分かれ、部員はそれぞれ1人きり。2人とも入賞は逃したが、3年間で培った力を出し切り、充実した笑顔で高校最後の演技を終えた。

 金子が1年の時は団体に出場できるほど部員がいたが、3年生が卒業し、同学年の部員も転校。2年になると1人になり「寂しくて心が折れそうになった」と退部も考えたが、母親の支えを受けて競技を続けた。

 中学で野球部だった新垣は、高校に入学すると、父の智也さんが顧問を務める男子新体操部に1人で入部した。兄大悟さんの指導や、県外選手との交流もあり、少しずつ競技者として成長していった。

 1年の全国総体は緊張で演技にならないほどだったが、今回は序盤にミスがあっても動揺せずに立て直すことができた。

 孤独との戦いを周囲の支えで乗り越えた2人。競技生活を振り返ると「続けていて良かった」と、同じ言葉が口から出た。

 (稲福政俊)