【北部九州総体取材班】全国高校総合体育大会・北部九州総体は8日、九州各県で行われた。テニスの女子ダブルス決勝は水口由貴・井手葵(沖縄尚学)が山口県代表に2―6、6―7で敗れ、準優勝だった。
女子ダブルスで沖縄尚学として連覇を狙った水口由貴(3年)と井手葵(2年)だったが、あと一歩届かなかった。昨年の優勝を経験した水口は「出だしが悪かった。第2セットも取れそうなところで取れなかった」とつぶやいた。
第1セットはサービス、リターンともに安定しなかった。2ゲーム連続で失うと、その後も相手に前衛のボディや足元を狙われたり、後衛の左右に振らされたりし、思うように得点を決められずに2―6で落とした。
第2セットはボレーを井手、ストロークを水口と得意な役割で挑んだ。水口はファーストサーブが入るようになり、リターンでもノータッチでエースを決めるなどし、優位に進めた。しかし第12ゲームで40―15からミスが重なり、ゲームを奪われてタイブレークへ。一歩も譲らない展開が続いた。
6―7の相手サーブで、レシーバーは水口。アイフォーメーションを使う相手に「ボレーヤーの動きを見てしまった」とボールをうまくとらえきれず、ネットを超えなかった。水口は感触で超えないと分かったのか、打球を見ず前かがみになり地面へ視線を落とした。
3度の全国総体で優勝1回、準優勝2回を経験した水口。「ここまで成長させてくれた平良(和己)先生、応援してくれた仲間に感謝」と振り返った。9月には井手と組み、再び全国の頂点が狙える国スポが控える。「国スポは優勝」と気持ちを切り替え、また前へ進む。
(屋嘉部長将)
井手「メンタルに差」 ネット際で強烈ショット
井手葵のネット際でのプレーが何度もピンチを救い、チャンスをつくった。第1セットは井手のストロークもボレーも慎重になりすぎ、相手のペースに。ペアの水口由貴は調子が上がらず「いつも頼っている。自分がやるしかない」と気を引き締め、第2セットは得意の前衛に集中した。
サーバーやレシーバーの時にはスピードを抑えたアプローチショットで前に出るタイミングをつくり、前衛になると積極的なボレーで得点を重ねた。足元への強烈なショットをボレーやハーフボレーで返した。第5ゲームにはダブルポーチを仕掛けた相手がドロップショット。ネット際に落ちたボールを井手がわずかに空いたスペースにアングルショットを決めた。
初めての全国総体のダブルスに出場した井手。今大会は強豪との連戦となったが、技術的な成長もあり決勝までたどり着いた。優勝にあと一歩届かず「技術的にはそんなに差はなかったが、メンタルに差があった」と感じたようだ。
2年生で経験した全国の決勝。頼りになる水口が抜けるが「勝ってみんなに勢いをつけられるようになりたい。団体戦、個人戦で日本一を目指す」。先輩からのバトンを引き継ぎ、仲間と再び全国の頂点を目指す。
(屋嘉部長将)