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ボクシング比嘉大吾「激しい熱い試合になる」 6年ぶり世界戦へ、異例のハードトレ公開 沖縄


ボクシング比嘉大吾「激しい熱い試合になる」 6年ぶり世界戦へ、異例のハードトレ公開 沖縄 WBOバンタム級の世界戦に向け練習を公開した比嘉大吾=19日、東京都内(伊藤隆撮影)
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 世界ボクシング機構(WBO)バンタム級1位の比嘉大吾(志成)が19日、同級王者の武居由樹(大橋)に挑む世界戦(9月3日・有明アリーナ)に向けた練習を東京都内のジムで公開し、フライ級に続く2階級制覇へ「コンディションはいい。目の前の試合に勝ちたい」と意気込んだ。シャドーボクシングやサンドバッグ打ちでは軽快な動きだった。ともにKOが多いハードパンチャー同士の一戦だけに「激しい、熱い試合になる」と予想した。体重超過で王座剥奪となった2018年4月以来の世界戦に向け「体重を意識しないといけない」と表情を引き締めた。視察した元世界王者で大橋ジムの八重樫東トレーナーは「(気持ちが)乗っている時の比嘉は怖い。今回はどちらかが倒れる展開になる」と警戒を強めた。


 6年5カ月ぶりの王座返り咲きに向け、プロボクシングのWBO世界バンタム級1位・比嘉大吾(志成)が異例のハードトレーニングを披露した。調子は順調だ。シャドー、サンドバッグ打ちで軽快な動きを見せた後、ランニングマシンに飛び乗った比嘉は10秒以上全力で疾走すると、すぐさま約10秒間のサンドバッグ打ち。これを2回繰り返した。公開練習では異例ともいえるハードメニューに、比嘉は息も絶え絶え。床に両手をつき、「きょうは公開練習ですよね。きつい…」と苦笑した。

 18年4月のWBC世界フライ級タイトルマッチの計量で体重超過を犯し、王座を剥奪(はくだつ)された。長い空白を経て世界戦にたどり着き、「あっという間。気持ちはいつもの試合と変わらない。ただ目の前の試合に勝ちたい気持ち。激しい熱い試合になる」と意気込んだ。

 王者、挑戦者ともにKO率80%を超すハードパンチャー対決まで約2週間。「(勝負を決するのは)距離じゃないですか。離れていると武居選手の倒しっぷりが出ると思う。自分がどれだけ入って距離をつぶして、という距離次第になると思う」と気を引き締めた。

 現在のバンタム級は4団体の王者が全て日本人選手。勝てば、日本人同士の統一戦も見えてくる。人生が大きく変わる好機を前に、「ここから先、王座を取ればバンタム級が熱いのでみんな盛り上がると思う。まず(王座を)取ることを考えている」。王座返り咲きに向けて集中力を研ぎ澄ましている。

 (伊藤隆通信員)