フィギュアスケートでは珍しい沖縄育ちの選手が、全日本選手権の切符をつかんだ。男子で早大2年の山田琉伸は10月下旬の東日本選手権で4位に入り、12月に大阪で開催される国内最高峰の大会に初進出。「何度も出たいと言い続けて歯が立たず、やっとかなった舞台。楽しんで頑張りたい」と、ほほ笑んだ。千葉県出身で、親が好きな沖縄に2歳で移り住んだ。「琉球」から1文字取って名付けられたという。
競技経験者の母と幼少期にスケート教室に通い、南風原町にある県内唯一のリンクで小学3年から本格的に始めた。
2003年ユニバーシアード冬季大会代表だった津留豊さんの指導で全日本ノービス選手権に出場。「うまくなりたい、の一心だった」と沖縄を離れて埼玉栄高に進学し、シニア参戦の今年から佐藤紀子コーチに師事する。長い手足を生かした「きれいな動き」に磨きをかけ、全日本ジュニア選手権で12位だった昨季から成長を遂げた。
初の全日本ではショートプログラム(SP)上位24人によるフリー進出を目指す。まだ成功率が低いトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)をSPで挑む予定で「出したことがない60点台が一つの目標。お客さんを感動させる演技をしたい」と目を輝かせた。
(共同通信)