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那覇西(女子)、北山(男子)制す 県高校総合体育大会・駅伝


那覇西(女子)、北山(男子)制す 県高校総合体育大会・駅伝
この記事を書いた人 Avatar photo 屋嘉部 長将

 県高校総合体育大会の駅伝(男子第72回・女子第42回)は1日、今帰仁村総合運動公園付帯公認マラソンコース(男子7区間42.195キロ、女子5区間21.0975キロ)で行われ、女子は那覇西が1時間18分34秒で8年ぶり2回目の優勝を果たした。男子は北山が2時間18分31秒で6年連続16回目の栄冠をつかんだ。優勝した那覇西と北山は男子第75回、女子第36回全国高校大会(12月22日、京都府)に出場する。


「2分先行」作戦奏功 女子・那覇西

 8年ぶり2度目の頂点に立った那覇西。最大のライバルであり、県内屈指のランナー2人を抱える3連覇中の北山に、5区にたすきが渡るまでに2分以上の差をつける作戦が決まった。

1区の玉城祐希(左)からたすきを受け取り、走り出す那覇西の2区・大城ここの=1日、今帰仁村与那嶺(小川昌宏撮影)

 エース区間の1区を任されたのは主将の玉城祐希。並走していた北山の親川杏花に徐々に離されたが、45秒差に抑えた。

 「楽しんで」と玉城からたすきを渡された2区の大城ここのは、「1秒でも多く差をつける」と先を行く北山をうかがう。2キロ手前で10秒差まで詰めると「そのまま抜いて差をつける」と追い越し、22秒差で3区の外間美桜へ。外間、4区の金城里桜とさらに差をつけ、5区の狩俣里衣にたすきが渡った時には北山との差はちょうど2分だった。

 5区の狩俣は強い風に苦しんだ。北山の江洲桃に1分差まで詰められることを知って、「ヤバい」と焦った。スタミナは尽きかけたが「最後は気力」とゴール前の上り坂を登る。苦しみながらも仲間がつないだ差を守り切り、トップでゴールテープに飛び込んだ。

優勝した那覇西の(右から)玉城祐希、大城ここの、外間美桜、金城里桜、狩俣里衣(小川昌宏撮影)

 外間ら実力のある1年生が入ったことで2、3年生の刺激となり、全体の走力が上がった。試合前にはOB・OGから応援、優勝すると祝福するメッセージが届いた。主将の玉城は「みんなで勝ち取った優勝。きつい練習を頑張ってきて良かった。やってきたことが報われた」と笑顔で誇った。

 (屋嘉部長将)


1区からトップ譲らず 男子・北山

 1区からトップを譲らなかった北山が、2位の那覇西に4分近い差をつけ、6連覇を達成した。強さを見せた北山だったが、強風と30度近い気温と80%超える湿度に、主将の島袋翔は「誰か倒れないか不安だった」と吐露しながらも「自分たちの代で連覇をつなげられて良かった」と安堵(あんど)した。

レース開始直後から先頭に立つ北山の1区・島袋翔(手前右)=1日、今帰仁村仲宗根の総合運動公園(小川昌宏撮影)

 1区の島袋は気温の影響もあり、タイムは伸びなかった。それでも予定通りに8キロ過ぎからロングスパートをかけて2位に31秒差をつけた。その後は8キロを超える3区の具志堅源竜郎、4区の藤田航哉がさらに引き離した。

 具志堅はコンディションが上がっていなかったが、2位と20秒差があり、気持ちにゆとりがあったことや、先輩の上原琉翔(国学院大)から聞いたコース攻略も参考にし、強い向かい風の中ペースを一定に保った。続く2年の藤田も思ったよりも体が動かない状況だったが、「お世話になっている先輩にいい思いをしてほしい」と前へ前へと進み、2人で2分30秒以上のリードをつくった。その後は島袋晃匠、嘉数泰成、米須清翔の2年生3人でさらに差を広げた。

優勝した北山の(左から)島袋翔、原口瞭、具志堅源竜郎、藤田航哉、島袋晃匠、嘉数泰成、米須清翔(小川昌宏撮影)

 島袋、具志堅、2区の原口瞭の3年生は昨年の都大路を経験するも、スピードレースに苦しんだ。島袋主将は「フォームを変えたり、筋力をつけたりして、スピード、スタミナを上げていかないといけない」と課題を掲げ、昨年の2時間11分46秒超え、30位台を目指す。

 (屋嘉部長将)