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辺野古の軟弱地盤 官房長官「問題ない」、デニー知事「そんな不誠実なやり方」 申請前の追加調査の未実施巡り


辺野古の軟弱地盤 官房長官「問題ない」、デニー知事「そんな不誠実なやり方」 申請前の追加調査の未実施巡り 埋め立て工事が進む米軍キャンプ・シュワブ沿岸
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 松野博一官房長官は2日の記者会見で、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設を巡り、防衛省が移設先の海底の軟弱地層に対する追加調査を実施せず、県から埋め立て承認を得ていた対応は問題ないとの認識を示した。「問題があったとは考えていない」と述べた。

 防衛省沖縄防衛局は2013年に県から埋め立て承認を得る前の07年、追加のボーリング調査が必要だとする報告書を作成。一方、地盤に大きな問題はないとして手続きを進めた。

 松野氏は防衛省の対応について、13年の申請の際に、後に必要な土質調査を実施することを県に説明していると強調した。

(共同通信)

知事「事実なら問題」

 沖縄防衛局が、名護市辺野古の新基地建設について、埋め立て申請前の2007年の段階の報告書で、海底に軟弱な地層が存在し、基地の設計には追加のボーリング調査などが必要と結論付けていたことについて、玉城デニー知事は2日、「事実であれば問題。確認したい」と話した。

 玉城知事は、埋め立て申請前に軟弱地盤の存在が明らかになっていれば現状とは別の形になっていたとの認識を示し「最初はとりあえず申請をして承認させ、後で直せばいいと思っていたとしたら、そんな不誠実なやり方でこんな巨大な難工事ができるという認識を疑うしかない」と話した。

 県は代執行訴訟の答弁書で、軟弱地盤が存在する大浦湾側の護岸について、13年に承認された後に実施設計すらされないままに設計変更申請に至ったことについて、政府が当初から軟弱地盤の存在を知り得たと指摘。「とりあえず承認を得ておいて、直後からあらためて検証を進め、後出しで実は5年では完成しないとして変更承認申請をした」と主張している。

 (沖田有吾)