<金口木舌>ジョン・レノンさんが見た夢


<金口木舌>ジョン・レノンさんが見た夢
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 2人組ロックグループ真心ブラザーズの代表曲の一つに「拝啓、ジョン・レノン」がある。レノンさんを「夢想家」などと表現しながらも、深い敬意を曲に刻む

▼歌詞でレノンさんに語りかける。「あなたがこの世から去りずいぶんたちますが、まだまだ世界は暴力にあふれ、平和ではありません」。曲の発表は1996年だが、今でも世界は平和ではない
▼ビートルズの「最後の新曲」として「ナウ・アンド・ゼン」が発表された。生前のレノンさんの音源から、最新技術で歌声を分離して完成させた。レノンさんの平和への思いも、歌声と一緒によみがえってほしい
▼ロシアのウクライナ侵攻にイスラエルとハマスの戦闘など、世界から「暴力」がなくならない。「台湾有事」を口実に沖縄では基地の強化が進む。レノンさんが今の時代を見たら何を思うだろう
▼世界の平和を願ったレノンさんは「夢想家」だったかもしれない。でも、夢を語らなければ現実は変わらない。一人一人が声を上げ続ければ、戦争のない世界が夢から現実に近づく。