今回の抗告訴訟では、原告の県に訴訟を起こす適格があるかが争点となっていた。那覇地裁判決では、県の埋め立て承認撤回を巡る抗告訴訟の最高裁判決(2022年12月)を例として、県には適格がないと判断した。
地方自治法では法定受託事務のうち、知事など都道府県の執行機関の処分に対する審査請求は法律などを所管する大臣に対し請求すると定めている。昨年12月の最高裁判決では、この規定による審査請求に対する大臣の裁決について、都道府県には取消訴訟を提起する適格がないと判断した。
県は、憲法に定められた地方自治の観点から、地方自治体に与えられた公有水面の埋め立て承認の権限が侵害された場合は自治権の侵害となり、抗告訴訟が認められるべきだと主張した。
これに対し判決では、法定受託事務は「国が本来果たすべき役割に係るもの」という性質があり、地方公共団体の固有の自治権に含まれるものではないとした。裁決について抗告訴訟で争うことが認められなくても「固有の自治権を侵害するとはいえず、地方自治の本旨に反するものとまではいえない」と判断した。 (沖田有吾)
有料
沖縄県に「原告適格」認めず 辺野古抗告訴訟 22年の最高裁判決を基に
![沖縄県に「原告適格」認めず 辺野古抗告訴訟 22年の最高裁判決を基に](https://ryukyushimpo.jp/tachyon/2023/10/n%E9%82%A3%E8%A6%87%E5%9C%B0%E8%A3%81%E3%83%BB%E7%B0%A1%E8%A3%81%E3%83%BB%E6%A4%9C%E5%AF%9F%E5%AF%A9%E6%9F%BB%E4%BC%9A-1.jpg?resize=615%2C410&crop=0px%2C28px%2C700px%2C467px)
この記事を書いた人
沖田 有吾
![Avatar photo](https://ryukyushimpo.jp/uploads/2023/09/cropped-ryuchan_maru-1-21x21.webp)