＜金口木舌＞「住民参加」の玄関口

　決めた施策を推し進めるのが行政なのに対し、その施策が最適かを議論する議会。住民がその改善を求める陳情が議会で採択されれば、行政にもぴりっと緊張が走り、改善の糸口になるかもしれない

▼議会での議論には重要な役割がある。民主主義の基本である多数決を採用しつつ、傾聴に値する少数意見を反映すれば、より多くの人が納得感を得る結果に近付ける。行政とは両輪だ
▼県内市町村議会へのアンケートで、住民が出した陳情の審議状況に大きな開きがあった。陳情を原則全て審議しているのは７市町。そのほとんどが近年、議会改革を進める議会基本条例や陳情の取扱規定を制定していた。「開かれた議会づくり」は昨今の潮流だろう
▼会派代表者の全会一致など、審議入り自体に高いハードルを設けている議会もある。意見や立場の相違を踏まえて最適解を探す。それが政治の役割だとすれば、審議されない陳情は浮かばれない
▼地方議会選の投票率も低迷が続いている。住民と近い議会を目指し、幸せな社会を一緒につくりたい。