<金口木舌>怪獣映画じゃない


社会
<金口木舌>怪獣映画じゃない
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 元号がまだ昭和だったころ、怪獣映画の中で自衛隊が「東南アジアの対ゲリラ戦を想定した照明弾」を使っていた

▼暴れる怪獣の恐ろしさばかりが記憶に残るが、今思えばPKO協力法も成立していない時代に、自衛隊が海外での戦闘を前提とした装備を持っていたことになる。これからの時代を先読みしたのかもしれない
▼政府は米国から巡航ミサイルを購入し、他国のミサイル基地などを破壊する敵基地攻撃能力(反撃能力)として活用する方針という。専守防衛の範囲を超えるのでは、と危惧する声も強い
▼本土防衛の「捨て石」とされ地上戦の惨禍を経験した沖縄では、南西諸島で急激に進む自衛隊の強化に「再び戦場になるのでは」と危機感を抱く県民は多い。県民平和大集会に多くの人が訪れたのもその表れだろう
▼映画とは違い、私たちが相対するのは言葉が通じず倒すしかない怪獣ではなく、同じ赤い血が流れる人間が住む他の国だ。戦争の被害者にも加害者にもなりたくない。同じ思いを持つ民がいるならば、対話を模索するしかない。