<金口木舌>「目立たない地域」の挑戦


<金口木舌>「目立たない地域」の挑戦
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 名護市振慶名をパソコンで漢字変換するには「ブリケナ」と打つが、地元住民らが使う集落名は「ブリキナ」。そのせいか、バス停留所の標識の文字が最近まで「振喜名」と誤って記載されていた

▼この誤記がいつからなのか、座喜味務区長も分からない。10月、正しい記載に改めた標識が新調された。国道から奥まった場所にあり、旧羽地村の中でも「あまり目立たない」(住民)地域の振慶名が新たな挑戦を始めている
▼振慶名農村公園内にあるゲートボール場の再生だ。近年はグラウンドゴルフに人気が集中し、10年ほど前から、あまり使われなくなっていた。整地をして、桜の木を植え付け、地域の憩いの場にしようと取り組む
▼全て区民による共同作業。12日は小雨が降る中で、懸命に作業する区民の姿があった。来春ごろには、家庭菜園で育てた野菜を物々交換し、地域のお年寄りが集える場所へと姿を変えていく
▼近年は建売住宅も増え、移住者も増加している。地域を思い、興そうと汗をかく区民の姿は移住者の目にも温かく映っているだろう。