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最大の物証「オスプレイ残骸」を米側に引き渡し 日本側の事実究明は不可能に 屋久島沖墜落


最大の物証「オスプレイ残骸」を米側に引き渡し 日本側の事実究明は不可能に 屋久島沖墜落 米軍オスプレイの墜落事故現場海域で、漂流物とみられるものを回収する海上保安庁の職員ら=11月30日午前10時30分、鹿児島県・屋久島沖(共同通信社ヘリから)
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 鹿児島県・屋久島沖の米空軍輸送機CV22オスプレイ墜落事故で、第10管区海上保安本部(鹿児島)は3日、海保が回収した機体の一部を米側に引き渡したと明らかにした。屋久島町も地元漁師らが集めた残骸を引き渡した。日本の捜査権を制限する日米地位協定が根拠だが、最大の物証である機体の残骸を手放すことで、日本側による原因究明は事実上、不可能となった。

 地位協定により、米軍の事故に関する日本の当局の捜査が妨げられる事態は、過去にも繰り返されてきた。海保関係者は「地位協定により、米側から要請があれば応じざるを得ない」と述べた。屋久島町では3日、海保の船から残骸が陸揚げされ、米軍が拠点とする倉庫に搬入された。

 米空軍は2日(現地時間)、7人の行方不明者の捜索に原子力空母カール・ビンソンを派遣していると明らかにした。死亡が確認された搭乗員の身元を、沖縄県の嘉手納基地が拠点の第353特殊作戦航空団を支援する部隊所属のジェイコブ・ガリハー軍曹(24)と公表した。エマニュエル駐日大使は3日、事故に関し「日米で透明性を持って情報共有していきたい」と述べた。

(共同通信)