<金口木舌>高齢者と無人レジ


社会
<金口木舌>高齢者と無人レジ
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 昨年末、自宅近くのスーパーのレジに異変が起きた。無人レジが進化したのだ。これまでは自分で買い物かごに入れた商品を、無人レジを通して会計するパターンだった

▼新たに登場したのがスマホと同じサイズの端末。買い物客は商品をかごに入れるたびに、備え付けの端末でバーコードを読み取る。支払いは端末をかざしてレジで現金やカードで支払う
▼端末に不慣れな高齢者が店員に使い方を尋ねる姿が見られた。支払いはスムーズになったが、有人レジが減った。IT機器に不慣れな人たちが不便にならないか心配だ
▼端末がもたらす便利さに、ついていけない高齢者がいる。能登半島地震の被災地が気がかりだ。スマホに不慣れな高齢者と、スマホを使いこなす若い世代との間で生じる情報格差は、命をも脅かしかねない
▼珠洲市や能登町では高齢化率が50%に上るという。一部の中学生らも集団避難している。高齢者に寄り添う若者はいるのだろうか。離れる人、送り出す人双方が再び一緒に暮らせる日が早く訪れるよう祈っている。