<金口木舌>発展する「阿麻和利」


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<金口木舌>発展する「阿麻和利」
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 大学入試の面接でうるま市のPRをしてと言われ、すらすらと話せた。そんな成功体験を聞いたのは今月21日。現代版組踊「肝高の阿麻和利」東京公演の報告会の場だ

▼2000年の初公演以来、20万人もの観客を動員してきた。うるま市のプロモーション事業で昨年8月に行われた東京公演は、2日間で4千人近くが来場し、勝連の民の暮らしを豊かにした阿麻和利の劇を堪能した
▼出演者は中高生。1999年に旧勝連町が中高生の居場所づくりとして始めた。それから四半世紀、海を渡ってうるま市を「プロモーション」するほどの舞台に成長した
▼報告会で生徒たちが語ったのは「阿麻和利」の将来ビジョン。子どもの居場所から観光資源へと「次のステージ」に押し上げたいという意気込みも聞かれ、頼もしかった
▼冒頭の出演者は高校3年の女子生徒。もうすぐ訪れる春、高校を巣立つ。「将来は観光や地域活性化に携わりたい」と進学後の夢を語ってくれた。人材育成も担うようになった現代版組踊に、阿麻和利もあの世で喜んでいよう。