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本島中部で取水、9日にも PFAS値低い3水源 貯水率51% 沖縄県、節水呼びかけ


本島中部で取水、9日にも PFAS値低い3水源 貯水率51% 沖縄県、節水呼びかけ
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 少雨が続き、沖縄本島の11ダムの貯水率が低下している状況を受け、県企業局は5日、渇水対策本部会議を開き、有機フッ素化合物(PFAS)対策で停止している中部水源からの取水を再開する方針を決めた。ダム貯水率50%を下回る段階を目安として、PFAS濃度の比較的低い嘉手納井戸群、天願川、長田川の3水源からの取水を再開する。

 3水源はいずれも国の暫定指針値(PFOSとPFOA合計で1リットル当たり50ナノグラム)を下回る。現在、貯水率は3日で1%程度低下しており、取水再開は9日以降になる見通し。

 さらに貯水率が減少し、過去10年間で最低の44・3%を下回る段階を目安に、PFAS濃度が3水源よりも高い比謝川からの取水再開も検討する。

 天気予報から今後の貯水率の回復や維持を期待できないことや、2018年の渇水より2カ月ほど進行が早いことなどから、取水再開を決めた。7日に中部水源から水を供給される市町村への説明を行い、その後沖縄総合事務局と県などでつくる沖縄渇水対策連絡協議会で意見交換を経て正式に決定する。

 沖縄本島地方では、昨年9月以降少雨傾向が続いている。1月はさらに顕著で、本島北部の降水量は平年の3割未満にとどまっている。5日午前0時時点のダム貯水率は51・8%で、平年値より25・8ポイント低い。

 松田了企業局長は5日、コメントを発表。さらに貯水率が低下し、制限給水(断水)の検討・実施をせざるを得ない状況も想定されるとして「今日、この段階から、県民の皆さまにはこまめに水を止める、風呂の残り湯を洗濯や散水に使うなど節水に努めていただくよう切にお願いする」と節水を呼びかけた。 

(沖田有吾)

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